10日の日経平均株価は急伸しそうだ。米ファイザーが9日、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で高い有効性を確認したと発表した。ワクチンが普及すれば世界景気の回復が早まるとの期待で、前日の米ダウ工業株30種平均は大幅反発した。米市場で景気敏感株や外需銘柄が買われた流れを引き継ぎ、日経平均は節目の2万5000円を大きく上回り2万5500円近辺を付けるだろう。
前日の米ダウ工業株30種平均は反発し、終値は前週末比834ドル高の2万9157ドルと2月中旬以来の高値を付けた。米大統領選を受けた株高の流れを織り込んだうえ、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発中の新型コロナワクチンで予防の有効性が90%を超えたとの初期データを発表したことで、経済活動の正常化が進むとの見方から投資家の運用リスクを取る姿勢が強まった。9日はドイツ株式指数(DAX)が4.9%高、フランスCAC40が7.6%高となるなど欧州株も軒並み急伸した。半面、ナスダック総合株価指数は1.5%安と反落した。
大阪取引所の夜間取引で日経平均先物12月物は一時は9日清算値に比べ1040円高い2万5900円を付けた後、同710円高の2万5570円で終えた。リスク選好の雰囲気が広がり米長期金利が大きく上昇(債券価格は下落)し、外国為替市場で円相場は1ドル=105円台後半まで下落した。欧米株高と円安進行が追い風になり、買いが優勢になりそうだ。
物色面では空運や陸運といったコロナ禍による業績悪化で株価が低迷していた銘柄に買いが集まる公算が大きい。9日の米市場ではエネルギー関連株や銀行など金融株の上昇が目立った。景気の先行き不透明感の後退でPBR(株価純資産倍率)が低い銘柄も大きく買われるだろう。一方、巣ごもり消費の恩恵を受ける銘柄やバリュエーション面で割高な株からは資金が流出する可能性が高い。
個別ではソフトバンクグループ(SBG、9984)に注目が集まる。9日に2020年4~9月期の連結決算を発表した。保有株式価値から純負債を差し引いた「ネット・アセット・バリュー」は9月末時点で27.3兆円と3月末比で5.6兆円増えた。同時に投資運用会社を通じて米上場ハイテク株を2.1兆円分保有していると表明した。9日の米市場ではハイテク株安が進んでおり、SBG株の上値は重そうだ。
富士フイルムホールディングス(4901)や明治ホールディングス(2269)、鹿島(1812)などが20年4~9月期決算発表を予定している。内閣府は10月の景気ウオッチャー調査を発表する。
〔日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行〕
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2020-11-09 22:02:00Z
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