Kamis, 05 November 2020

バイデン氏が政権移行準備 トランプ氏は法廷闘争 - 日本経済新聞

4日、演説するトランプ氏(写真左)と声明を発表するバイデン氏=ロイター

4日、演説するトランプ氏(写真左)と声明を発表するバイデン氏=ロイター

【ワシントン=中村亮】米大統領選で勝利を主張する両候補が、開票後をにらんで動き出した。民主党候補のバイデン前副大統領は4日、次期政権の立ち上げ準備を始めた。トランプ大統領の選挙陣営は集計作業での不正疑惑を主張し、東部ペンシルベニアなど4州で訴訟を起こした。

「大統領選に勝利するのに必要な270の選挙人を獲得しようとしているのは明白だ」。バイデン氏は米東部時間4日午後(日本時間5日朝)、地元デラウェア州で自信をみせた。

バイデン氏は4日、政権移行チームのサイトを立ち上げた。サイトでは「バイデン政権の初日から全力で取り組めるように移行チームは全速力で準備を進める」と強調した。トランプ氏が敗北を認めなくても、バイデン氏は閣僚人事の選定などを進めるとみられる。

バイデン氏は4日に離脱した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」について「バイデン政権で復帰する」とツイッターに投稿、早くも政権獲得後の政策に言及した。

トランプ陣営は強硬姿勢に出る。ペンシルベニア、南部ジョージア、中西部ミシガンの各州で4日、開票の中止などを求めて訴訟を起こした。中西部ウィスコンシン州では票の再集計を要請した。5日には西部ネバダ州でも投票資格を満たさない有権者が投票したと主張し、訴訟を起こす方針を示した。

米大統領選の票を全て数えるよう求める集会の参加者(4日、ニューヨーク中心部)=共同

米大統領選の票を全て数えるよう求める集会の参加者(4日、ニューヨーク中心部)=共同

米メディアによると、ペンシルベニアの州裁判所は5日、トランプ陣営の主張を認めたが、ミシガンとジョージアの裁判所は訴えをそれぞれ退けた。トランプ陣営が訴訟などを起こした5州はいずれも開票後にトランプ氏がリードしたが、民主党支持者の利用が多い郵便投票が遅れて集計されると逆転を許した。トランプ陣営は不正があったとみている。

トランプ氏は開票結果に不満を隠さない。ミシガン州などについて「我々が勝っている」とツイッターに投稿した。ミシガンではトランプ支持者が開票所に集まり、集計中止を求めた。バイデン氏が優位なアリゾナ州では、逆にトランプ支持者が「俺たちの票をちゃんと数えろ」と抗議した。

敗北を認めない姿勢をみせるトランプ氏に対し、共和党内からも距離をとる動きが出ている。クリスティー元ニュージャージー州知事は「そんなことをいうタイミングではない」とトランプ氏を批判。中西部オハイオ州のデワイン知事も「最終的にバイデン氏が選ばれれば誰もがそれを受け入れる」と語った。

バイデン氏も訴訟に備える。米メディアによるとネバダやウィスコンシン、ペンシルベニア、ミシガン各州で弁護士チームを立ち上げた。訴訟費用を確保するため支持者に献金を求めた。

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2020-11-05 16:39:33Z
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