政府が第5世代(5G)移動通信システムの全国展開に向け、地方での光ファイバー網の整備を急いでいる。今年度の予算額を前年度(6億7000万円)比約8倍の52億円に増やし、民間事業者への財政支援の枠組みを新設した。令和5年度末までに光ファイバーの未整備世帯を、現在の98万世帯から段階的に8割減の18万世帯まで減らし、都市部との格差解消を目指す。
高速大容量の光ファイバー網は、電波を送受信する5G基地局をつなぎ、自動運転など先端技術を実現する基幹インフラだ。特に高齢化が深刻な地方では、今後の発展のカギを握る。
だが、現在の光ファイバーの都道府県別世帯カバー率(平成30年3月時点)は東京や大阪など5都府県が100%なのに対し、島根、鹿児島、長崎の3県は9割以下で都市部との格差が際立つ。山間部や離島などはコストがかさみ、財政難にあえぐ市町村主体の整備には限界があるためだ。
新たな制度では、整備に二の足を踏む民間事業者らの参入を促すため、今年度から国が設備費の3分の1から2分の1を負担する。補助金交付は過疎地や離島など整備のハードルが高い7つの地域が対象だ。
これまでに民間事業者から約20件の申請があったほか、第3セクターのケーブルテレビ局4社(北海道、愛知、熊本、宮崎)に計1億2000万円を交付することが決まった。政府は新たな制度の周知を進め、地方活性化につなげたい考えだ。
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12274-374773/
2019-08-17 22:20:00Z
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