Kamis, 30 April 2020

利益確定売り優勢か アマゾンやアップル株安が重荷 - 日本経済新聞

1日の東京株式市場で日経平均株価は反落か。前日の米株式市場では低調な内容の米経済指標を受けて、先行きへの警戒感から主要3指数はそろって下落。1~3月期の決算を発表した米アマゾン・ドット・コムや米アップルの株価が時間外取引で下げたことも、東京市場で投資家心理を冷やす要因になるだろう。日経平均は今週に入って900円超上昇し、前日には2カ月ぶりに2万円台を回復した。大型連休前に積極的に下値を売り込む動きは限られそうだが、利益確定売りが優勢となりそうだ。市場では1万9900円が下値メドになるとの声があった。

4月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比288ドル安の2万4345ドルで終えた。週間の米新規失業保険申請件数が市場予想より多かったうえ、3月の米個人消費支出は予想を下回るなど、景気悪化を示す米経済指標の発表が相次ぎ、投資家心理を冷やした。ダウ平均は前日に約1カ月半ぶりの高値をつけていたため、利益確定売りも出やすかった。

米国では主要企業の決算発表が続いた。アップルの1~3月期決算は売上高が前年同期比1%増の583億1300万ドルだった。ただ、4~6月期予想を発表しなかったことで業績懸念が広がり、時間外取引でアップル株は下落した。アマゾン・ドット・コムの1~3月期の純利益が市場予想を下回り、時間外取引で大幅下落した。東京市場でも関連銘柄が多いだけに、株価の重荷となりやすい。

1日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物6月物は1万9970円と、前日の清算値(2万0060円)を90円下回った。外国為替市場で円相場は1ドル=107円台前半と前日17時時点から円安・ドル高に振れている。

みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「大型連休を控え短期筋は過度な弱気ポジションを積み上げにくく、需給面では売っていた短期筋の買い戻しが入りやすい状況にある」と指摘する。その半面、中長期投資家が本腰を入れた買いを入れる動きには乏しいとして日経平均の2万円定着には時間がかかるともみていた。

個別では日本電産(6594)に注目だ。30日、2021年3月期の連結純利益(国際会計基準)は前期比66%増の1000億円になりそうだと発表した。4月に中国の生産拠点の稼働率が新型コロナ前の水準を回復し、電気自動車(EV)関連やハードディスク駆動装置(HDD)用モーターの受注が旺盛なことが増益予想の理由だ。市場予想平均のQUICKコンセンサス(4月27日時点、17社)で見込む1198億円は下回るが、今期の業績予想の開示を見送る企業も多いだけに、増益と増配を好感する買いが集まりそうだ。

国内では三井物産(8031)などが20年3月期決算を発表する。海外では、4月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が公表になる。中国(上海・深セン)や香港、ドイツやフランスなど多くの市場がメーデーの祝日で休場となる。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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