ガジェットマニアなら、まずは黙って「一番上」を選ぶもの。異論はあるかもしれないけれど、まあ、やっぱりそういうものだろう。そういうユーザーから見れば、「iPhone 12 Pro Max」は気になる存在だと思う。そこで今回は、実機をいじりながら「12世代のハイエンド」の価値を考えてみた。
ベゼルが細くなって「iPhone史上最大」に
iPhone 12 Pro Maxの実機を触ると、やっぱりまずは「デカっ」という言葉が口から出てくる。まあそれは単純に、同じタイミングで届いたiPhone 12 miniと比べてしまうから、という部分はあるのだが。
iPhone 11 Pro Maxと並べて比べると、ほんの少し12 Pro Maxの方が大きい。さらに、本体の縁から画面の端間での距離(いわゆるベゼル)は12 Pro Maxの方が狭い。その結果として、11 Pro Maxでは6.5インチだった画面サイズは「6.7インチ」になっている。この差が、ボディサイズ以上に「大きくなった」印象を与えるのに寄与している。
筆者は普段、メインスマホの1つとして11 Pro Maxを使っている。だから、この大きさには慣れている……はずだった。が、最初に見比べた時に「ちょっと別物だと思うくらい大きくなったな」と思ったのは、嘘偽りのない感想である。
ポケットなどへの収まりでいえば、このサイズ差ならば大差なく「大きい」ままなので、これまでPro Maxを使ってきた人には影響はない……と思っている。しかし、心理的に感じる「大きさ」はまた別だろう。画面が大きいことをプラスと考え、積極的にPro Maxを選んでいる人には良いことだし、サイズは小さい方がいいけれどカメラなどの条件から消極的にPro Maxを選ぼうとしている人には「自分で見てからの方が良い」とアドバイスしたい。
ちなみに筆者は、「老眼が入り始めたこと」「両手で持ってQWERTY入力する」のが理由から大きいスマホを選んでいるので、このサイズ感は好ましく思う。
性能はProと同じ、メモリーは6GB
では性能面はどうだろう? これはベンチマークをとればすぐわかる。ぶっちゃけ、「同じ年の同じシリーズならどれも変わらない」という、iPhoneではお馴染みの結論になる。
メモリーはiPhone 12 Proと同じく6GBになっていて、スタンダードは4GB、Proは6GBという形だということになる。
5Gの対応についても、使う限りでなにか差があるとは判断できなかった。スペック上変わりがないから当然、とも言えるが。
ディスプレイ的にも、サイズは違うが輝度・色域などに大きな差はないと感じた。
ということは、iPhone 12シリーズで比較する限りにおいては、「カメラやサイズ、デザインなどで選んでOK」ということになる。
新「広角」カメラは夜に強いが……? わかりやすい価値は「望遠」の強化か
どれを選ぶかにあたって軸になるのはやはり「カメラ」だ。スペック的にいえば、iPhone 12 ProとPro Maxの大きな違いは「カメラ」になる。
メインとなる「広角」カメラのセンサーが大型化し、レンズシフトからセンサーシフトへと手ぶれ補正の方法が変わった。とすると、写真のディテールが正確になってぶれに強くなったのだな……と思う。
上記は12 Pro Max・12 Pro・11 Pro Maxでの昼間の「広角」での写真。若干11 Pro Maxが鮮明でない印象を持つが、12系はProもPro Maxの差はあまりない。
上記は12 Pro Max・12 Pro・11 Pro Maxでの夜間の「広角」「超広角」での写真。12系の方がやはり明るくはっきりしている。12 Pro Maxの方が拡大してみると少しシャッキリしているかも……。どれも中央に、レンズカバーなどでの内部反射が原因と思われる「ゴースト」が出ているのが気になる。
そうなのだけれど、これが、明るいシーンになるとわかりづらい。
あえて状況が悪い中で、悪い撮り方をすると、確かに「ああ、Pro Maxの価値はある」とわかってくる。具体的にいえば、「ちょっと暗い場所で懐からスマホを出して、急いで片手で写真を撮る」ようなシーンや、「夜にスマホを動かしてビデオを撮る」ようなシーンでは、ProとPro Maxでは、後者の方がよりぶれがなくて「失敗しづらい」ものになる。
また、光がなだらかに当たっているような場所では、Proの方がノイズを消すためか「ベタ塗り」的な印象のシーンになるのだが、Pro Maxではより現実に近い、なだらかな映像になる。
このことは、「シーンを選ばない撮影」という意味で、Proよりも優れている、と言っていい。だが、写真のどこに失敗が現れるかということなどを知っていないと、その差にパッと気づかない可能性もある。
ただこれは、センサーの変更の効果がないというよりも、そもそも「写真を撮る上で恵まれた環境」の場合、iPhone 12のカメラ機能にとってはもう十分にちゃんとした写真が撮れる、ということなのではないかと思う。
少なくともスマホに入るようなサイズのセンサーにおいて、ソフトウエアの力によって写真のクオリティを高めていく「コンピュテーショナル・フォトグラフィ」の進化がセンサーの変化に強く拮抗しており、今回の進化に影響しているように思う。
そういう意味では、よりわかりやすいのが「望遠」カメラの変化だ。広角に対して2.5倍になったことは、やはりプラスで魅力的に感じた。Pro(広角比2倍)に比べると少し暗いレンズになったのだが、その影響はそんなに大きなものではないように思う。
上記はiPhone 12 Pro Maxと11 Pro Maxでの比較。発色が明るくなり、少し「寄れている」のが12 Pro Maxの特徴だ。
そう考えると、「失敗しづらい広角」と「もう少しだけ寄れる望遠」がiPhone 12 Pro Maxを選ぶ価値であり、そこは妥協できるならiPhone 12 Proでもいい……ということになるだろうか。
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2020-11-09 21:20:01Z
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