Minggu, 13 September 2020

三菱商事社長から全社員への「釈明メール」独自入手、軋むエリート集団(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 三菱商事の垣内威彦社長が6月、社員に向けて送ったメールを独自入手した。その中身からは、社員が経営に不信感を強めていることに対し、垣内社長が並々ならぬ危機感を抱いている様子がうかがい知れる。特集『三菱陥落』(全10回)の#1では、三菱グループのみならず日本を代表するエリート集団企業の内部で起きている異変に迫った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史) 【この記事の画像を見る】 ● 経営への「納得度」「信頼感」低下 メールに透ける垣内社長の危機感  「組織風土調査結果への対応として、すでに各グループ・部門で改善への取り組みを進めてもらっていますが、全社経営においても重要な経営課題と受け止めています」  今年6月半ば、三菱商事の全社員にこのような“釈明”の文言で始まる社内メールが届いた。送り主は垣内威彦・三菱商事社長だ。  垣内社長は一体何を「重要な経営課題」と受け止めているのか。その答えは「組織風土調査」の中身にある。  三菱商事は2009年度以降、「組織の健康診断」の一環として社員向けアンケート調査を定期的に実施している。  今回の調査を実施したのは昨年8月。この結果、「経営方針・戦略の納得度」「全社・グループ経営への信頼感」「変化に対応した効率的な組織運営」「生産性の向上」「新人事制度」の項目について、過去の調査と比べて社員の否定的意見が増加したのだという。  このうち「経営への信頼感」は、いわば社長の支持率のようなものだ。社員が経営への信頼感を持ち得ない会社に、発展など望むべくもない。支持率が急降下したのであれば、民主国家なら“総辞職”もやむを得ない緊急事態だろう。  メールの文面はさらに続く。

 「我が社にとって最も重要な資産は人材であり、社員の成長が会社の発展と一体化してきた会社です。社員が成長できる場を提供し、それぞれの社員が構想力、実行力を最大限に発揮できる環境を整備していくことが経営の責務です」  「常日頃から皆で議論する折々に深い洞察に基づく意見を、上下の分け隔てや無用な忖度がなく、お互いにぶつけ合い、十分な議論を重ねた上で、一度結論が出ればノーサイドの精神で全員が一丸になって目標に向かって邁進する、これを重ねていくことが将来にわたって我が社が持続的に成長し、社会に貢献し続けることにつながると確信しています」  「社員が成長できる場を提供」「上下の分け隔てや無用な忖度がなく」――。メールの文面から伝わるのは、それらをあえて明文化しなければならないほど、社内風土の健全性に「確信」を持てない垣内社長の危機感だ。  垣内社長はその対応策として「全社風土改革タスクフォース」なる対外的に非公表の組織の発足を表明。責任者に、人事などを担当する村越晃常務、総務などを担当する榊田雅和常務、常勤監査役の内野州馬氏と平野肇氏を任命した。  三菱商事のある社員は吐き捨てるように言う。「調査には自由筆記欄もあり、経営方針や人事に対する不満が噴出したようだ。社員のモチベーションは明らかに低下している。風土改革タスクフォースを設置するとは前代未聞のことだが、具体的な活動内容は不明のまま。社員にたまった不満のガス抜きにもならない」。  三菱商事といえば、高給・高待遇で、就職人気も高い国内最高峰のエリート企業といっても過言ではない。おのずと社員の満足度は高くなる。事実、過去の調査ではそのような傾向が表れていた。その三菱商事が今、なぜ「前代未聞」の事態に直面しているのか。 ● 「組織の三菱」は事実上瓦解 社長による中央集権化が加速  その一因として前出の社員が挙げるのは、垣内社長が急速に進める中央集権化への反発だ。  16年に就任した垣内社長の政権下、三菱商事の歴史上大きく変化した点がある。それが「副社長」ポストの廃止だ。小林健前社長(現会長)時代には、最大5人いた副社長は18年度以降ゼロだ。  資源からコンビニエンスストアまでさまざまな事業の集合体である総合商社のマネジメントは広範かつ複雑だ。中でも業界最大の資産規模を誇る三菱商事において、社長が1人で全体を統括するのは不可能に近い。  従って複数の副社長が番頭として社長を支え、誰が社長ポストに就いても組織体として機能する仕組みが三菱商事の伝統だった。また佐々木幹夫社長時代の古川洽次氏、小島順彦社長時代の故上野征夫氏ら、かつての三菱商事には、いわば「官房長官」役の副社長が必ず社長の最側近にいた。  総務や人事、広報をつかさどるコーポレート出身で、社内外の情報を機敏に察知し、時に社長に苦言も呈する――。そんな“お目付け役”を任せられる人材が、今の三菱商事には存在しない。代わって要職に目立つのは、生活産業グループCEO(最高経営責任者)時代から垣内社長に仕えてきた旧知の部下たちだ。  副社長ポストの廃止には、社長が責任を持って迅速に意思決定する狙いがあるのだろう。また、垣内社長は経営人材の育成や若手の抜てきも新人事政策に掲げるが、若手社員からは「抜てきするのは結局、社長や社長への忖度が染み付いた組織。社長の独断専行人事に社員は萎縮している」との声が漏れ聞こえてくる。

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2020-09-13 21:07:06Z
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