NYダウは下落して始まった=ロイター
【ニューヨーク=後藤達也】11日朝の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比900ドル超安の2万4100ドル程度に下落している。米政府は10日、新型コロナウイルス対応の経済対策を議会に要請したが、市場では実現できるか不透明との見方も出ている。10日には経済対策への期待先行で急上昇していた反動もあり、売りが優勢となっている。
ダウ平均を構成する30銘柄のすべてが下落する全面安の展開となっている。業種別ではエネルギーや資本財、消費、運輸関連の値下がりが特に激しい。ヒトやモノの移動が制限されることで、様々な経済活動に悪影響が広がるとの懸念が出ている。
米政府は10日、給与税の免除など経済対策を要請した。ただ、民主党は減税を11月の米大統領選への対策とみており、成立に否定的な立場だ。米財政赤字は年1兆ドルを超えており、共和党内にも減税への慎重論がある。市場では経済対策の実現性や時期が不透明だとの見方が多くなっている。
一方、新型コロナへの警戒は強まる一方だ。米ジョンズ・ホプキンス大学によると11日時点で米国の感染者数は1000人を超えた。感染者の増加が目立つニューヨーク州では一部の学校や教会を閉鎖するなどの対応があり、国民の不安も高まっている。米国内でもヒトやモノの動きが制限され、経済活動が停滞する懸念が強まっている。
ダウ平均は、9日には新型コロナへの警戒から2013ドル安と過去最大の下落幅を記録。一方、10日には米政府の減税期待から1167ドル上昇するなど、連日で記録的な乱高下を続けている。
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2020-03-11 13:31:28Z
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