【ワシントン=中村亮】米国務省のケース・クラーク次官は22日、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)製品を排除するようアジア新興国に促すため日本やオーストラリアと金融支援を強化する方針を示した。米国が中国系アプリの利用禁止を決めた場合に日本にも同様の措置を促す構えも見せた。
クラーク氏が22日、日本経済新聞など一部の日本メディアの電話インタビューに応じた。クラーク氏は経済安全保障を担当し、経済面での対中包囲網づくりを主導してきた。
クラーク氏はファーウェイに関して「中国共産党が形成する監視国家の屋台骨だ。採用すればいつでも(データを)盗まれる恐れがある」と批判した。ファーウェイの製品やサービスは競合するスウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアに比べて大幅に割安とされ、アジア新興国がファーウェイを採用する大きな誘因になっている。
これに対応するためクラーク氏は米国の公的金融機関である国際開発金融公社(DFC)などをあげて「(金融支援について)できることはたくさんある」と語った。トランプ政権は2018年10月に成立させた法律で公的機関によるインフラ投融資枠を2倍に増やした。クラーク氏の発言は通信インフラの整備をさらに重点的に支援する考えを示したものだ。
「信頼できる通信インフラの整備は(自由で開かれた)インド太平洋戦略の一環だ」との見方も示し、日本や豪州とともに脱ファーウェイに向けて金融面でアジア新興国を支援していく考えを強調した。
クラーク氏はファーウェイを排除していないフィリピンやタイについて「ファーウェイ製品を取り換えたり、決定を変更したりできないか協議したい」と語った。ともに米国の同盟国で、米政権はファーウェイ製品が浸透していけば有事の際に中国に情報を盗まれる恐れがあるとして両国との情報交換などに支障が生じると懸念している。
中国政府はファーウェイを通じたスパイ活動を一貫して否定している。
中国企業が運営するショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」や対話アプリ「微信(ウィーチャット)」についても「子どもたちがスパイ活動をされる可能性があり非常に危険だ」と重ねて警鐘を鳴らした。アプリの情報が中国政府に吸い上げられることを懸念したもので、トランプ政権は米国内でのTikTokの利用禁止を検討している。
仮に米国が中国系アプリを禁止した場合に日本にも同様の措置を求めるかについて「米国は情報を提供し、米国が(禁止によって)模範を示す理由を説明することが我々の立場だ」と述べた。将来的には日本にも禁止を促す可能性があることを示す発言だ。すでにTiktokなどを禁止する方針を示したインドについて「米国は刺激を受けた」と語った。
国務省は国内外の関連施設での5G通信網で中国企業を関与させない「5Gクリーンパス計画」を推進している。これに関連してファーウェイ製品などを使わない通信事業者を「クリーンな企業」と指定し、各国に採用を促してきた。
クラーク氏はクリーンパス計画の対象をデータセンターやクラウドサービス、携帯アプリなどにも近く広げると明らかにした。これらの分野でも中国との関係を断ち切るよう各国に促してきたが、対象分野で中国とビジネス関係がない「クリーンな企業」を指定することで取り組みをいっそう強化する狙いがある。
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2020-07-23 07:34:44Z
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