Senin, 28 Desember 2020

新型コロナ:米93兆円対策ようやく成立 GDP2%押し上げ効果も - 日本経済新聞

【ワシントン=河浪武史】米政権・議会による9000億㌦(約93兆円)の新型コロナウイルス対策が27日、ようやく成立した。財政出動の規模としては過去2番目の大きさで、2021年の国内総生産(GDP)を2%押し上げるとの試算もある。ただ、トランプ大統領は上下両院の可決後もおよそ1週間、署名を拒否し続け、失業給付が一時失効するなど政治経済に傷痕を残した。

経済対策の成立の遅れで、米経済は長期失業者が増えている=AP

米国は新型コロナの感染拡大が止まらず、11月以降に飲食店などの営業制限が再び強まっている。11月の個人消費支出は前月比0.4%減と、コロナ危機が深刻だった4月以来7カ月ぶりのマイナスに転落。ワクチン普及を前に米経済には「二番底」の懸念が浮かんでいた。

そのため9000億㌦の新対策のうち、家計対策に2860億㌦を充てる。高所得者を除くものの、1660億㌦の予算を用意して年明け1月には1人600㌦の現金を支給する。米個人所得は全体で月平均1兆6000億㌦程度だが、今回の給付金だけでその10%前後の収入の押し上げ効果が見込める。

中小企業対策にも3250億㌦を充てる。従業員の雇用を維持した企業には、連邦政府が給与支払いを補填する。経済活動の停止で12月は失業率が8カ月ぶりに上昇に転じる懸念もあり、雇用維持を最優先する。旅客減が深刻な航空会社にも150億ドルを拠出。ワクチンの普及など医療体制の整備には690億ドルの資金枠を設ける。

米政権・議会による新型コロナ対策は今回が第4弾で、歳出規模は合計4兆㌦とGDPの20%前後に達する。今回の9000億㌦の対策は第3弾(2.2兆㌦)に次いで大きく、金融危機時の09年2月の景気対策(7870億㌦)などを上回る規模だ。超党派機関「責任ある連邦予算委員会」の試算では、21年の米GDPを2%押し上げる規模だという。

もっとも、経済対策は迷走した。当初は7月末の成立を目指したが、大統領選・連邦議会選で与野党対立が深まり、議会通過まで5カ月がかかった。大統領選後の法廷闘争にかかりきりだったトランプ氏も、議会の可決後に突如、現金給付の増額を求めて法案修正を要求。成立は年末ぎりぎりまでずれ込んだ。

トランプ氏の「署名拒否」は政治・経済に傷痕を残した。1200万人が受給する失業給付の「コロナ特例」は26日に期限が切れて失効。27日に3カ月分の延長が成立したが、給付事務を担う州・地方政府はこれからシステム変更の作業に入るため、1~2週間は支給の空白が生まれそうだ。家賃滞納者の強制退去の懸念が一時浮上するなど、失業者や低所得層の大きな動揺を招いた。

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政治面でも与野党の対立が再燃した。トランプ氏は法案署名後も、現金給付を600㌦から2000㌦に増額するよう改めて要求。同調した民主党は28日に下院で増額法案を単独採決する構えだ。共和党は増額に強く反対するが、民主党のペロシ下院議長は27日の声明で「2000㌦の現金給付を実現するよう、大統領は共和議員を今すぐ説得すべきだ」などとトランプ氏と共和党を挑発してみせた。

バイデン次期大統領は「今回の経済対策は始まりの一歩にすぎない。発足後すみやかに追加策を用意する」と強調するが、与野党の対立再燃は懸念材料となる。今回は失業給付などの特例を延長したが、いずれも3月までと短い。経済対策の再延長が必要になるが、共和党がその壁となる。

構造問題も積み残したままだ。バイデン氏は経済格差の是正を公約するが、低所得層の底上げには教育支援など根本治療が必要になる。議会与野党は政治の駆け引きに終始して、長期的な政策議論を欠いており、今回の9000億㌦の対策も「止血」が中心だ。財務長官に指名されたイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長らには、目先の財政出動ではなく、重層的な経済対策づくりが求められる。

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2020-12-28 07:40:50Z
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