自動車メーカーで相次ぐ生産調整を招いている世界的な車載向け半導体不足について、アナリストの間では、供給不足の長期化を懸念する見方が浮上している。新型コロナウイルス感染拡大の影響が読みにくく、需要予測も難しいためだ。
SBI証券の和泉美治シニアアナリストは、車載半導体不足の要因について、コロナ禍で2020年前半に自動車各社が需要減少を見込んで調達を減らし、「半導体メーカーがスマートフォンへの供給を優先」した結果、「自動車に回ってこない」状態になったと分析する。
トヨタ自動車やホンダ、独フォルクスワーゲン(VW)は半導体不足を理由に生産調整に踏み切った。各社はコロナの影響で昨年春から初夏にかけ減産。半導体メーカーも車載向けの生産をいったん減らしており、中国を中心に自動車市場が回復する中、供給が追いつかなくなったとアナリストらはみている。
電子部品を制御するマイコンや電源を管理するパワー半導体を手掛けるルネサスエレクトロニクスでは、昨年4-6月に低下させた自社工場の稼働率の引き上げに動いている。広報担当の岡本恭子氏は「急激な需要増加にこたえられるよう、生産のアクセルを踏んでいる」と述べた。
車載半導体の用途は、駆動装置などパワートレイン系のほか、ブレーキやエアバッグなどの安全系からパワーウィンドウやエアコンまで多岐にわたる。ガソリン車より電子部品の多い電動車や自動運転技術にはより多くの半導体が必要となる。
急な増産は困難
英調査会社オムディアの南川明シニアコンサルティングディレクターは、環境意識が高まる中、自動車メーカーが電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)生産計画の「前倒しを行っている」ことも半導体不足の要因と分析する。
南川氏は、世界の主要半導体メーカーの工場稼働率は昨年10-12月に87%に達し、今年1-3月には不足の目安となる90%を超えると予想。生産能力の拡大には1年以上かかるため、車載半導体も急激な増産は難しいと指摘する。
ブルームバーグ・インテリジェンスの若杉政寛アナリストは、車載半導体不足は早ければ春ごろには解消するとの見通しを示した。ただ、車の需要自体が見通せないため、再び在庫調整が起こる懸念もあるとみている。
オムディアの南川氏は、世界的に5Gスマホやデータセンター向け需要も旺盛で「今年いっぱい自動車向けの半導体はかなり足りなくなるのではないか」とみている。
台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家最高経営責任者(CEO)は14日の決算発表に際し、生産能力・供給問題の解決に向けて自動車業界の顧客と協力していると明らかにした。
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2021-01-15 02:46:00Z
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