三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の2証券が来月1日、合併する。三菱UFJモルガン・スタンレー証券で富裕層向け(ウェルスマネジメント)事業を統括する浜田直之副社長は、世界トップ級のプライベートバンクでもある合弁相手の米モルガン・スタンレーとの連携を深め、「世界に通用するスケールの大きな富裕層部門を作りたい」と意気込みを語った。
8月1日付で合併するのは三菱UFJモルガン・スタンレー証と三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券。存続会社は三菱UFJモルガン・スタンレー証となる。
浜田副社長(55)はブルームバーグの取材に、PB証券全体に加え、三菱モルガンで三菱UFJ銀行が顧客に抱える富裕層向けサービスを担う部署の営業担当の計約600人でウェルスマネジメント本部を稼働させ、さらに2年以内に残りの富裕層向け事業の合流で1600人程度の陣容としたい方針を明らかにした。
メイン顧客として想定しているのは、総資産3億円以上のセミハイエンド層と20億円以上のハイエンド層。浜田副社長は日本は世界と比べても富裕層が非常に多いにもかかわらず、サービスが行き届いていなかったと指摘。「富裕層事業の拡大余地が圧倒的に大きい。グローバルでも最も魅力的な市場だ」と語った。
ボストンコンサルティングの調査によると、保有金融資産が100万ドル(約1億700万円)を超える日本の富裕層人口は米国、中国に次いで世界3位の約110万人。
他社との差別化要因として掲げるのは、モルガンSとの連携強化だ。浜田副社長は「ブランド戦略、テクノロジーの活用のほか、投資助言などの高度なアドバイザリーモデルや商品開発、市場やリスク分析など、世界最高水準のノウハウを積極的に取り入れたい」と述べた。
モルガンSは近くウェルスマネジメント部門の幹部を日本に派遣・常駐させる方向で調整しており、三菱モルガンと連携して事業構築を進めるという。
米大手投資銀行のモルガンSはリーマンショック後に経営が悪化した米シティ・グループから富裕層事業が強みのスミス・バーニーを買収した経緯もあり、大手プライベート・バンクとしての顔も持つ。
英調査会社スコーピオ・パートナーシップの2018年の調査によると、富裕層事業の顧客預かり残高はUBSグループに次ぐ2位となっている。三菱モルガンは三菱UFJが60%、モルガンSが40%を出資する合弁会社。
今後の目標として、浜田副社長は売買手数料(コミッション)が主流のリテール収入体系を見直し、海外の富裕層ビジネスでは主流の預かり資産残高に応じて一定の報酬を受け取るフィー(手数料)体系を導入した残高の割合を現在の20%程度から中長期的には50%程度に高めたい意向を示した。
また、顧客と長く付き合う富裕層部門の特徴を考慮し、長期担当制を導入する方針。浜田副社長は目安として「7-10年程度」を挙げた。営業員のノルマはすでに撤廃している。
浜田副社長は関西学院大学を卒業後、新卒で山一証券に入社。外資系金融機関などで経験を積み、直近はブラックロック・ジャパンのマネージング・ディレクターを務めていた。三菱モルガンには20年4月に入社し、ウェルスマネジメント部門強化を担う。
同証が株主企業以外の外部から首脳級幹部を登用するのは異例。浜田副社長は「日本の富裕層ビジネスの文化を変えたい。それには5大証券が動かないと、と思ってきた」と力を込めた。
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2020-07-21 15:00:00Z
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