Kamis, 06 Agustus 2020

縮むウーバー、大幅増収の「イーツ」なお赤字 4~6月 - 日本経済新聞

ウーバーの4~6月の配達サービス部門の売上高は前年同期の2倍に伸びた=ロイター

ウーバーの4~6月の配達サービス部門の売上高は前年同期の2倍に伸びた=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】新型コロナウイルスが米ウーバーテクノロジーズの収益構造を一変させた。6日発表した2020年4~6月期決算では料理宅配「イーツ」など配達サービス部門の売上高が前年同期の2倍に伸びた。利用者が減り売上高が3分の1に落ち込んだ祖業のライドシェア事業を初めて逆転した。ただ、配達サービス部門は競争も厳しく、赤字が続いている。

世界各地に外出制限が広がった影響で世界的に人々の移動が減り、ウーバーの4~6月の売上高は22億4100万ドル(約2300億円)と前年同期比に比べ29%減った。四半期ベースで売上高が前年実績を下回るのは、業績が確認できる18年1~3月期以降で初めてとなる。

事業別では、ライドシェアを含む移動サービス部門の売上高が67%減の7億9000万ドルと大きく落ち込んだ。一方、日本でも手掛けるイーツなどの配達サービス部門は約2倍の12億1100万ドルに伸び、売上高全体に占める同部門の割合は前年同期の19%から一気に54%まで高まった。

ウーバーは拡大する「巣ごもり消費」を捉えようと、小口物流分野の新サービスを矢継ぎ早に打ち出している。今春からは近所に住む家族や友人に、ウーバーの運転手を介して小包を送れる「コネクト」と呼ぶサービスを米国などの一部都市で始めた。新型コロナで外出を控える消費者のニーズをつかみ、これまでに300万回を超える利用があったという。

19年10月に買収を発表した、南米チリの宅配サービス大手コーナーショップとの連携によって、20年7月から中南米やカナダ、米国の一部都市で食品や日用品の配達サービスも始めた。消費者はウーバーのライドシェアアプリや料理宅配アプリを使って、小売店や薬局から商品を取り寄せられるようになった。

ウーバーは7月には米国の料理宅配サービス市場で4位の米ポストメイツを26億5000万ドルで買収することでも合意している。規制当局の承認を経て手続きが完了すれば、ウーバーは米国市場でこの分野で米ドアダッシュに次ぐシェア2位に浮上する見通しだ。

ただ、小口物流の分野ではライバルの動きも激しい。ドアダッシュは8月上旬にシカゴなど米国の8都市で食品や日用品の宅配サービス「ダッシュマート」を始めたと発表した。自社の倉庫に在庫を抱え、注文に応じて配達員が各家庭に商品を届ける仕組みで、同社は「新しいタイプのコンビニエンスストア」をうたう。

料理や食料品などの配達サービスはなお普及期にあり、各社は加盟店や顧客の獲得にしのぎを削っている。ウーバーの4~6月期決算では大幅減収となった移動サービス部門の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が5000万ドルの黒字を維持する一方、イーツなどの配達サービス部門は売上高の急激な伸びにもかかわらず2億3200万ドルの赤字が続いている。

ウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は配達サービス市場について「歴史的な需要の波が押し寄せている」と話す。ただ、この分野ではアマゾン・ドット・コムやウォルマートなどの米流通大手とも競合することになる。決算発表後の6日の米国市場の時間外取引でウーバー株は小幅な値動きで推移した。生き残りを懸けた創業以来のピボット(事業の方向転換)の成否を、株式市場は慎重に見極めようとしている。

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2020-08-07 02:50:27Z
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