コンピューターグラフィックス(CG)用半導体メーカーのエヌビディアは、半導体設計を手掛ける英アームを買収する合意で、業界を長期にわたって牛耳るのに必要な全てを手に入れたかもしれない。
アームを株式と現金を組み合わせた約400億ドル(約4兆2400億円)での取引でエヌビディアがソフトバンクグループから取得する合意は、両社が米時間13日遅く発表した。ブルームバーグ・ニュースは7月、両社の交渉について報じていた。
ソフトバンクG、アームをエヌビディアに4.2兆円で売却-株急騰
なぜエヌビディアが今アームを巨額で買収するのか。1つには、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でエヌビディア製品の需要が増し、株価が今年2倍以上に上昇したことがある。今や時価総額がインテルを約50%上回る3000億ドル前後に膨らんだエヌビディアには、株式による買収のリソースがある。一連の混乱に見舞われたソフトバンクGが大規模な資産売却を迫られたことも、エヌビディアに好機をもたらしているかもしれない。
エヌビディアとアームの組み合わせは、向こう10年の間に半導体業界を作り変える可能性がある。エヌビディアは常に、未来へのビジョンを持ちクラウドコンピューティングや人工知能、ロボットによる自動化、モバイルコンピューティング、モノのインターネット(IoT)など高い成長が見込める機会に必要な主要部品を提供する企業と自らを位置付けてきた。
同社のグラフィックス用半導体はこれらの多くにとって欠かせないものだが、製品ラインアップには大きな穴がある。全てのコンピューター装置の頭脳的存在である汎用プロセッサー、中央演算処理装置(CPU)のことだ。このため、エヌビディアからグラフィック用半導体を購入する顧客は他社からCPUを調達する必要がある。
半導体設計と汎用プロセッサー技術を持つアームを買収することで、携帯電話からコンピューター、クラウドコンピューティングのデータセンター向けまで、エヌビディアの品ぞろえは完全になる。
また、アームからライセンス供与を受けるだけではなく同社を買収することで、エヌビディアは自社のソフトウエアとプログラミングインターフェースをアームの設計に組み込み、スマートフォン市場でのアームの優位などを生かして他社がエヌビディアの半導体と技術を標準として採用する可能性を高めることができる。
エヌビディアによるアーム買収は、その規模の大きさから欧州連合(EU)、米国、英国、中国の承認が必要だ。しかし実現すれば、エヌビディアは長期にわたり、半導体業界の頂点に君臨し続けることができるだろう。
(テ・キム氏はブルームバーグ・オピニオンのテクノロジー担当コラムニストです。株式アナリストとしてのキャリアを経て、かつてはバロンズでテクノロジーを担当していました。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
原題:
Nvidia-Arm $40 Billion Deal Will Upend Chip Industry: Tae Kim(抜粋)
This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjAtMDktMTQvUUdNVU8yRFdYMlExMDHSAQA?oc=5
2020-09-14 09:37:00Z
52782736566167
Tidak ada komentar:
Posting Komentar