米連邦公開市場委員会(FOMC)は15、16両日に開催した定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置くことを決定した。また新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)からの米経済回復を支援するため、少なくとも2023年いっぱいはゼロ付近の金利を維持することを示唆した。
会合後に発表した声明でFOMCは、期間平均で2%のインフレ率を達成し、中長期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、「緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ」と表明した。
今回の声明は、金融当局が新たに定めた長期的な政策枠組みを反映している。新たな枠組みでは、インフレ率の2%目標未達が長期間続いていることを踏まえて、目標のオーバーシュートを容認する。この戦略シフトは、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が8月に明らかにした。
パウエル議長は声明発表後の記者会見で、「これらの変更により、中長期における金融当局の強いコミットメントが明確になる」と説明した。
政策決定は賛成8、反対2だった。反対票を投じたのはダラス連銀のカプラン総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁。カプラン総裁は、「政策金利のより大きな柔軟性」の保持が望ましいと主張。カシュカリ総裁は、「コアインフレが持続的な形で2%に達する」まで利上げを待つべきだと表明した。今回のFOMC会合は、11月3日の大統領選挙の前では最後の会合となった。
パウエル議長をはじめ金融当局者らはここ数週間、米国の景気回復は新型コロナをしっかりコントロールできるかどうかに大きく左右されると強調してきた。また雇用と所得を支援するために、財政による追加の刺激策が必要になりそうだとも指摘している。
FOMCは今回、景気回復を支援するためにあらゆる手段を講じる姿勢を示した。FOMCは、「市場の円滑な機能を維持するため、少なくとも現行ペースで」米国債と住宅ローン担保証券の購入を継続すると再表明。別に発表した声明には、購入規模は米国債が月額800億ドル(約8兆4000億円)、住宅ローン担保証券が同400億ドルと説明されている。
同時に公表された四半期ごとの経済予測では、政策金利について中央値で2023年いっぱい超低水準で据え置かれると予想。ただ4人は23年中に少なくとも1回の利上げがあるとの見通しを示した。
このほか、今年の経済縮小の度合いは従来予想より小幅になると見込むが、来年以降数年の回復ペースは従来予想より鈍い成長を想定している。
パウエル議長は「景気回復は大方の予想より速いペースで進んできている」としつつ、「今後の道筋は依然極めて不透明だ」と述べた。
FOMC参加者による経済予測の詳細は表をご覧ください。
原題:Fed Signals Rates to Stay Near Zero for at Least Three Years (2)(抜粋)
(経済予測などについて追加し、更新します)
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2020-09-16 18:28:00Z
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