みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長は5日の記者会見で、みずほ銀行で起きた一連のシステム障害について「顧客への影響の認識や危機対応プランが不十分で、さらなる影響拡大を招いた」と述べ改めて陳謝した。新システムの運用に問題があったとして、専門人材を増員し監視体制を強化したことも明らかにした。
みずほでは2月28日から2週間足らずで4件の障害が起きており、一連の経緯や再発防止策を盛り込んだ報告書を3月31日付で金融庁に提出した。
2月末の障害では全国にある7割強のATMが一時動かなくなり、現金を引き出そうとした利用者のキャッシュカードや預金通帳を取り込むトラブルが5244件起きた。坂井氏は「営業店からの報告やSNSへの書き込みなどから影響が広範に及ぶことを検知しながら、組織として把握するのに時間がかかった」と対応のまずさを認めた。
利用者を店舗内に数時間にわたって足止めする原因になったATMがカードや通帳を取り込んでしまう仕様はすでに「原則返す」ように改めたという。システム障害時に迅速に顧客対応をするために、発生から1時間以内に本部に対策会議を設け、状況の把握を徹底する方針も打ち出した。
報告書では「組織的なスキルやノウハウが低下するとともに、横断的なチェックや統制が十分に機能しなくなっていた」と言及。役員への報告も断片的な情報にとどまり、適切なタイミングで指示ができなかったと初動の遅れを総括した。
みずほ過去のシステム障害の反省を踏まえ、2019年7月に4500億円の巨費を投じて新システム「MINORI」を導入した。坂井氏は「導入後2年間の安定稼働の中で、おろそかにしてはいけない日々の業務運営(上の問題)があった」と語り、気の緩みが失態を招いたとの認識をにじませた。そのうえで「仕組みだけ作っても十分でない。それを担う人と組織を強化する必要がある」とも述べ、システムの運用に携わる人材を強化する考えを示した。
障害が頻発する理由は経営陣によるシステム部門の軽視に起因するのではないかとの問いに対しては「軽視したつもりは全くない」と否定しながらも、「経営としてどのような対応が必要だったか、顧客視点で納得していただける形にする必要がある」と語った。
3月11日夜から12日にかけて起きた4回目のトラブルでは、システムの構築を請け負った日立製作所のディスク装置が一部壊れ、バックアップへの切り替えも不調に終わった。本来なら3月12日付で処理されるべき企業の外貨建て送金が、263件(約500億円分)滞る事態につながった。
今後の対応策として、システムの改修にあたっては多層的に点検する態勢を整える。カードを取り込んだシステムの仕様についても9月末までに順次見直す。日常的に危機管理のノウハウを磨き、危機時の迅速な対応につなげる担当者も設置する方針だ。
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2021-04-05 10:50:45Z
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