【ニューヨーク=清水石珠実、シリコンバレー=佐藤浩実】米通信大手AT&Tは17日、傘下のメディア事業「ワーナーメディア」を分割し、メディア大手ディスカバリーと統合して新会社を設立すると発表した。メディア報道によると、新会社の企業価値は1500億ドル(約16兆円)に上る。メディア業界の主戦場となったストリーミング市場で先行する米ネットフリックスと米ウォルト・ディズニーに次ぐ「第三極」を目指す。
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新会社はディスカバリーのデビット・ザスラフ最高経営責任者(CEO)が率いる。AT&Tが株式の71%、ディスカバリーが29%を持つ。当局の審査などを経て、2022年半ばの手続き完了を目指す。今回の再編に伴いAT&Tが受け取る総額は430億ドルとなる。
ワーナーメディアは、ニュース局のCNNやドラマ局のHBO、映画のワーナー・ブラザースなどを傘下に持つ。一方で、ディスカバリーは、料理や旅行などのリアリティー番組に強みを持つ。それぞれ単独でストリーミングサービスを提供しているが、ネットフリックス(3月末時点の会員数2億764万人)とウォルト・ディズニー(1億360万人)に出遅れていた。合併して提供できるコンテンツの幅を広げることで、契約者の拡大を狙う。
AT&Tは2016年、タイムワーナー(現ワーナーメディア)を854億ドルで買収すると発表、18年に買収手続きを完了した。昨年までの13年間、AT&Tを率いてきたランドール・スティーブンソン前CEOは、「通信とメディアの融合」を目指してメディア関連の買収を進めてきたが、こうした戦略で負債が膨らみ、米アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントなどから批判を浴びていた。
最近では、AT&Tは衛星放送事業のディレクTVを分離し、株式の3割を米投資ファンドのTPGキャピタルに売却するなど、資産の売却を進めてきた。本業の通信事業で、高速通信規格「5G」網構築に多額の資金が必要になっているという背景もある。20年7月に就任したジョン・スタンキー現CEOは「聖域はない」として資産整理を積極的に進める姿勢を示している。
米国の消費者の間では、高額なケーブルテレビ契約を解除し、安価なストリーミングサービスに切り替える「コードカット」と呼ばれる流れが続く。ワーナーメディア、ディスカバリーともにこうした新しい消費者の志向に合わせた戦略転換を迫られていた。
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2021-05-17 12:44:32Z
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