Rabu, 24 November 2021

石油の国家備蓄放出、異例の法解釈 産油国の反発を招く恐れも - 朝日新聞デジタル

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北京=西山明宏、ロンドン=和気真也 西村圭史、ニューヨーク=真海喬生

 政府が石油の国家備蓄を初めて放出する。米バイデン政権の呼びかけに足並みをそろえたが、価格を下げるための放出はこれまで想定していなかった。各国が協調放出しても原油価格が下がるとは限らない。なんのために国家備蓄を取り崩すのか十分な説明が求められる。

業界から疑問の声 産油国の反発招く恐れも

 米国の呼びかけに応じ、インド石油・天然ガス省は23日、500万バレルの石油備蓄を放出すると発表した。声明では「需要レベルを下回る供給による価格の高騰に懸念を表明してきた」とした。インドは米国や中国に次いで世界第3位の石油消費国で、その約8割を輸入に依存している。すべての輸入品目の中でも、石油への支出が最大となっており、財政赤字を膨らませる要因となっている。

 石油価格高騰への不満が高まっている中で、来年2~3月に人口2億人を超える最大州の州議選を控えていることから、インド政府は何らかの対応を取らざるを得なかったとみられている。インド政府は今月に入り、石油にかかる間接消費税を軽減する対策をとっている。

 中国外務省の趙立堅副報道局長は24日、米国からの石油の国家備蓄の放出要請について「原油の消費国と生産国と密接に連絡をとっており、石油市場の長期の安定を確保することを望む」と述べた。産油国側である中東やロシアとの関係も重視しており、米国からの要請に応じれば、産油国との関係にひびが入る恐れがあるためだ。趙氏は「中国は自国の状況や需要に鑑みて必要な措置をとる」とした。

 中国政府関係者は「放出協力について内部で全く議論されていない。気候変動や通商摩擦などを除き、対中政策が改善しない限りは戦略的協力は進めるなとの指示が上から出ている」と明かす。

 日本は国家備蓄を取り崩す。経済産業省は「主目的は原油価格の下落ではなく、油の入れ替えだ」と主張する。だが、売却した分を買い戻す予定はなく備蓄量は減る。入れ替えを前倒しする理由も「原油価格の動向や米国との協調を勘案した」としており、価格の下落が目的の一つだと事実上認める。

 政府が「最後のとりで」ともされる国家備蓄に手をつけることには石油業界などからも疑問の声がある。

 各国が協調放出しても石油価…

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2021-11-24 13:20:33Z
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