ラスト・スロー・オブ・ザ・ダイス(さいころの最後の一振り)。英国・欧州連合(EU)通商交渉の関係者の1人は、今週予定されている協議でその運命が決まるとし、そう指摘しました。難航する交渉が仮にまとまったとしても、その後には双方の議会での批准手続きも必要。12月31日の期限までついに4週間を切り、気をもむ展開が続きます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
障害の一つ動くか
英国と欧州連合(EU)の通商交渉が6日、ブリュッセルで再開した。双方は7日夕刻までの最終合意を目指している。長い間障害となってきた英海域での漁業権の問題については政治的妥協が生まれつつあると、交渉に詳しい関係者2人が明らかにした。公平な競争環境に関する問題は引き続き、未解決の主なハードルとして残っている。ジョンソン英首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は7日夕に電話で協議する予定。それまでの24時間以内に合意が得られる見込みは薄いと、EUの外交当局者は述べた。
なお主張
トランプ米大統領は大統領選のジョージア州での選挙結果を巡り、不正があったとする根拠のない主張を繰り返す一方、来年1月5日に同州で行われる上院選の決選投票で現職の共和党議員に投票するよう支持者に呼び掛けた。ジョージア州の集会で演説したトランプ氏は、いずれも共和党のケンプ知事とラッフェンスパーガー州務長官について、民主党のバイデン前副大統領が同州で勝利したとの選挙結果を覆す措置を講じなかったとして非難した。
これまでで最も強く示唆
クレディ・スイス・グループのウルス・ローナー会長は、UBSグループとの合併は「不合理」ではなく、メリットをもたらすだろうと述べ、最大の競合行との統合を検討する可能性をこれまでになく強く示唆した。2021年に任期満了で退任するローナー会長は、同行とUBSは米国の競合行より規模が小さく市場での評価額も低いとした上で、単一の組織となれば影響力はより大きくなると、スイス紙シュバイツ・アム・ウォッヘンエンデとのインタビューで語った。
国内で電炉新設も
日本製鉄の宮本勝弘副社長は、国内で自動車用鋼板などの高級鋼を生産する電炉を新設する可能性があることを明らかにした。同社は米国でも欧州鉄鋼大手のアルセロール・ミタルと共同で電炉の新設を検討、原料の多様化や投資コストの抑制にもつなげたい考えだ。宮本副社長は3日のインタビューで、国内では電気料金が高いため電炉の生産コストが高くなるなど課題があると指摘。コストに見合う高張力鋼板(ハイテン)など高級鋼を国内でも生産していくことは「十分あり得る」と述べた。
サウジの自信示す
サウジアラビアは主要市場であるアジア向けの原油販売価格を引き上げた。新型コロナワクチンに関する楽観で原油相場が前週、3月以来の高値に達したことが背景にある。原油販売価格の値上げ幅は5カ月ぶりの大きさ。来月からの「OPECプラス」の減産緩和分を吸収するのに十分なエネルギー需要があり、欧米の一部でロックダウン(都市封鎖)措置がとられる中でも石油市場の需給が引き締まった状態が続くと、サウジが確信していることを示す動きだ。
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2020-12-06 21:30:00Z
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