【北京=川手伊織】中国国家統計局は11日、2020年に実施した国勢調査の結果を発表した。香港、マカオ、台湾を除く総人口は14億1177万8724人だった。増加が続いたが、前回調査した10年からの年平均増加率は0.53%と、2000年以降の10年間(0.57%)と比べ鈍化した。高齢者が10年で6割増え、人口に占める割合が13.5%に達した一方、産児制限の影響で働き手世代は減った。少子高齢化の加速は経済成長や財政の重荷になる。
国勢調査は人口動態を把握するため、10年に1度実施する。今回が7回目の調査となる。国勢調査を行わない年は抽出調査をもとに総人口などを推計する。
人口の増加ペースが鈍ったのは、全体の7割を占める15~64歳の生産年齢人口が縮小しているからだ。20年は9億6776万人と、ピークの13年から3.8%減った。
中国は働き手世代の減少が成長の足かせとなる「人口オーナス」に入っている。統計局が9万超の製造業を対象に最大の経営課題を調査したところ、44%が「採用難」と答えた。
現役世代などの減少を穴埋めするのが高齢者の増加だ。65歳以上の人口は1億9063万人だった。平均寿命の延びもあり、右方上がりで増加している。総人口に占める割合は前回国勢調査を行った10年から4.63ポイント上がり、13.50%に達した。
将来の働き手となる0~14歳の人口は2億5338万人と、総人口の18.0%を占めた。比率は10年比で1.35ポイント上昇した。11日公表の主要データには、2020年の出生数は含まれていない。生まれた年に戸籍登録を済ませた新生児に限ると、20年は前年比15%減った。出生数の減少傾向は今後も続く公算が大きい。
ただ人口減少社会は目前に迫っている。中国共産党系メディアの環球時報は4月末、人口統計学者の見方として「22年にも総人口は減少に転じる」と伝えた。政府系シンクタンクの中国社会科学院は19年1月に「早くて27年」と試算したが、5年ほど前倒しになる可能性がある。
習近平(シー・ジンピン)指導部は、人口減少や加速する少子高齢化への対応を迫られている。
退職年齢の引き上げ議論はその1つだ。働き手を増やし、政府の社会保障負担を和らげるため、政府は議論を本格化させる。ただ若年雇用へのしわ寄せや年金受給額が減ることに対する懸念から、定年延長への反発は根強い。
都市部で高騰する養育コストの抑制もめざすが、公立幼稚園が不足している現状では解決までの道のりは長い。2人目の出産まで認めた産児制限をめぐっては「完全に撤廃すべきだ」(中央銀行の中国人民銀行)との声も増えてきた。ただ現時点で政府の対応方針は見えない。
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2021-05-11 02:08:18Z
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