イランによるイスラエルの攻撃で中東情勢が緊迫化し、15日の日本の金融・証券市場ではリスクオフの動きが広がった。株式は日経平均株価が一時700円以上急落し、投資家の間で安全資産志向が強まったことで債券は上昇。中東リスクが原油価格の上昇に結び付けば日本経済にマイナスに作用するみられ、円は対ドルで約34年ぶりの安値を連日で更新した。
イランが無人機とミサイルでイスラエルに攻撃を加え、イスラエルと同盟国はその大半を迎撃した。在シリアのイラン大使館が今月1日に攻撃を受け、革命防衛隊の司令官らが殺害されたことへの正当防衛とイランは主張。同国が自国内からイスラエルを攻撃するのは今回が初めてだった。
【イスラエル】イラン報復攻撃、大半を迎撃-ハマスは戦闘休止拒否か
中東情勢の緊張が一段と強まれば、原油をはじめ資源価格の高騰につながる可能性が高く、原材料や燃料を輸入に頼る日本にとってはコストアップの要因となるため、景気や企業業績の押し下げ要因となることが警戒されている。
15日の金融・証券市場の動き |
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株式
東京株式相場は反落し、日経平均は一時約1週間ぶりに3万9000円を割り込んだ。イランによるイスラエルへの無人機・ミサイル攻撃で地政学リスクの高まりが嫌気された。電機や自動車、機械など輸出関連株に加え、銀行や医薬品、空運など幅広い業種に売りが広がった。
ただ、日経平均は朝方に700円以上下げたものの、次第に下げ渋り。電気・ガスなどディフェンシブセクターの一角が高く、国際商品市況の上昇を材料に非鉄金属や海運、商社、石油など資源関連セクターは堅調だった。
大和アセットマネジメントの富樫賢介チーフストラテジストは「中東情勢に対する懸念で売られた」と指摘した半面、原油価格も落ち着いており、「今後事態がエスカレーションすることが大きく想定されている感じではない」との見方も示した。
債券
債券相場は上昇(利回りは低下)。資金の逃避先として安全資産に対する需要が高まった。午前終値は長期国債先物6月物が前週末比13銭高の144円48銭、新発10年債利回りは1.5ベーシスポイント低い0.845%。先物は一時24銭高まで買われる場面があった。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、リスク回避の動きが続き、日本市場でも安全資産に対する需要が高まると指摘。ただ、日本銀行の追加利上げへの警戒感は消えておらず、上値を抑える要因になっていると言う。
為替
円相場は対ドルで反落。リスク回避の円買いが先行した後、一時1ドル=153円74銭まで下落し、1990年6月以来の安値を連日で更新した。原油高の悪影響が意識される中、円は主要通貨に対し全面安となった。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、中東情勢の日本への影響について「原油供給が断たれるリスクと輸入インフレ」を指摘。いつまでも賃金が物価に追いつかない上、利上げはできない、インフレは進むとなりかねないことに警戒感を示した。
一方、三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「中東情勢を巡り、一段のエスカレーションが避けられそうだということが見えてきており、高く始まった円相場も小康状態をにらんで円安が進んでいる」と分析。「これ以上の材料がない中では円安トレンド継続だろう」と語った。
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2024-04-15 03:05:56Z
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