アメリカは鉄鋼製品で先進国最大の市場で、人口の増加などを背景に今後も安定的な成長が見込まれています。
日本製鉄としては日本国内で需要の拡大が期待できないなか、これまでインドや東南アジアでの事業を強化してきましたが、さらに、USスチールの買収によってアメリカ市場を強化するねらいがあります。
世界鉄鋼協会のまとめによりますと、2022年の粗鋼の生産量は、日本製鉄が4400万トン余りで世界4位、USスチールは1400万トン余りで世界27位となっています。
両社の生産量を単純に合計すると、5800万トン余りとなり、世界3位になります。
日本製鉄は粗鋼生産能力を1億トンにする目標を掲げ、海外事業の拡大が戦略上欠かせません。
一方、脱炭素が世界の流れとなるなか、製造過程で多くの二酸化炭素を排出する鉄鋼業界は、環境対応の強化を迫られています。
USスチールは、「電炉」と呼ばれる二酸化炭素の排出が比較的少ない生産設備を持つアメリカの企業を2019年に買収しました。
日本製鉄も、水素を活用した生産技術の開発を進めていて、今回の買収は、両社の環境技術を組み合わせ、競争力を強化するねらいもあります。
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2024-04-13 00:13:05Z
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