日銀が1日発表した短観=企業短期経済観測調査で、大企業製造業の景気判断を示す指数が大幅に悪化し、悪化幅は、リーマンショック翌年の3月に次ぐ過去2番目の大きな落ち込みになりました。経済活動が徐々に再開しているものの新型コロナウイルスの影響による輸出や生産の落ち込みは深刻で、景気の厳しい実態が浮き彫りになっています。
日銀の短観は、国内の企業およそ1万社を対象に3か月ごとに景気の現状や先行きを尋ねる調査で、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指数で景気を判断します。
今回の調査は5月下旬から先月末にかけて行われ、大企業の製造業の景気判断の指数が前回のマイナス8ポイントからマイナス34ポイントに急落しました。
悪化は6期連続です。
指数は一気に26ポイント下がり、悪化幅はリーマンショック翌年の2009年3月に34ポイント下がった時に次ぐ過去2番目の大きな落ち込みになりました。
新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出ていた4月から5月にかけて輸出や生産の落ち込みが深刻だったため、「自動車」の景気判断はマイナス72ポイント、「鉄鋼」はマイナス58ポイントなどと著しく悪化しています。
また大企業の非製造業は、前回の8ポイントからマイナス17ポイントに悪化しました。
とりわけ外出の自粛などによって急激な売り上げの減少に見舞われた「宿泊・飲食サービス」はマイナス91と景気判断が一段と悪化しています。
先行きについては、大企業の製造業がマイナス27、非製造業がマイナス14といくぶん改善しているものの指数は低い水準に落ち込んだままになっています。
経済活動は徐々に再開していますが、感染が再び広がる第2波への懸念も強く企業が景気の先行きを厳しく見ていることが浮き彫りになっています。
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2020-07-01 00:26:00Z
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