世界最大の債券市場である米国債市場は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で大打撃を受けた米経済の回復は緩慢かつ断片的になるとの確信を堅持しているようだ。
指標の米10年国債利回りは0.64%で、3月末とほぼ変わらない水準にある。投資家は債券価格の急落時を買いの好機と捉えており、利回りは1-3月(第1四半期)に125ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した後も抑制されている。その結果、米国債相場は今年これまでに約9%上昇。ブルームバーグ・バークレイズ米国債指数でみると、1-6月(上期)としては1995年以来最高のパフォーマンスとなるペースにある。
債券投資家の間の厳しい見通しは、株式市場の見方と概ね対照的で、株式相場は今四半期に、企業活動の再開期待を背景に急反発していた。先週は米国の一部州が感染急増を踏まえて再開計画を縮小したことから失速した。その結果、中央銀行の追加緩和の引き金になるような新たな景気の落ち込みに備えるため、米国債は恐らく資金の避難所として選ばれ続ける公算が大きい。
証券会社280セキュリティーズのトレーディング責任者、ジェイソン・ウェア氏は「幾つかの州で引き続き経済活動再開の段階を停止ないし逆行させることさえ必要であるなら」、今後数週間は利回り低下が見られる可能性があると予想した。
今週の経済指標のハイライトである6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比300万人増と、5月の同250万人増に続いて2カ月連続の増加になると見込まれている。それでも、労働市場のダメージは深刻で、6月の失業率は約12.3%に高止まりが予想されている。これは4月のピークを下回るものの2月の3.5%をかなり上回る。
今週は独立記念日の祝日に伴い営業日が4日間に短縮されることから、トレーダーはどの程度リスクテークするかの目安として、新型コロナ感染拡大ペースの追跡にさらに集中する可能性もある。フロリダ州とテキサス州は新規感染者数の急増を受けて26日にバーの営業規制措置を講じた。
また、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長とムニューシン財務長官は30日に下院金融委員会で証言する予定で、景気支援の取り組みについて説明する可能性がある。
関連記事:米財務長官とFRB議長、30日に下院金融委で証言-新型コロナ対応で
原題:
Treasuries’ Best Run Since 1995 Shows Traders Girding for Worst(抜粋)
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2020-06-29 04:37:00Z
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