米連邦準備制度理事会(FRB)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を巡る先行き不透明感が金融機関の経営に重くのしかかる中、米国の主要銀行に対し、少なくとも7-9月(第3四半期)まで増配や自社株買い再開の禁止を指示した。
FRBは25日の声明で、銀行業界は年次ストレステスト(健全性審査)で良好な結果だったが、新型コロナ感染拡大による経済と金融システムへの影響に関する別の考察で潜在的リスクが明らかになり、配当の先行きに疑問を残したと説明した。
クオールズFRB副議長(銀行監督担当)は声明で、「FRBは銀行の状況をより集中的に評価するとともに、主要銀行に今後数カ月間は資本維持のため慎重な措置を求める行動を取っていく」とし、「銀行システムはこうした下振れシナリオの中で最も厳しい状況下でも十分な資本を備えている」と指摘した。
FRBは配当金について、4-6月(第2四半期)の水準を上限とし、将来の配当は直近の業績に基づく計算式によって制限されるとした。
この計算式では、1-3月(第1四半期)に89%減益決算を発表しているウェルズ・ファーゴの減配リスクが最も高まる。同行は景気悪化に伴って収益力が低下。多くの競合行とは異なり、市場の大幅変動で恩恵を受けるほどの大規模なトレーディング事業は展開していない。この新ルールに基づくと、各行の配当は過去4四半期の平均四半期利益を上回ることはできない。
一方、ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーはストレステストの通常部分で最も振るわなかった。FRBの仮想経済危機シナリオでの資本水準はゴールドマンが6.4ポイント、モルガン・スタンレーが5.5ポイント低下した。両行は当局の危機シナリオでより大きな打撃を受ける資本市場への事業依存度が高めであることから、他行よりも悪い審査結果が見込まれていた。
ゴールドマンとモルガン・スタンレーの担当者はストレステストについてコメントを控えた。ウェルズ・ファーゴは直ちにコメントすることはないとしている。
FRBはまた、資本計画の年内の再提出を銀行に求める。過去10年のストレステストでは前例のない要請で、クオールズ副議長は理事会が「この情報を利用し、銀行の財務状況とリスクをさらに評価していく」と説明した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アリソン・ウィリアムズ氏はこうした動きについて、「一層の不確実性を示す」ものであり、銀行にとって「全般にネガティブだ」と指摘した。
ゴールドマンの株価は25日の米株式市場時間外取引で東部時間午後5時24分(日本時間26日午前6時24分)現在、一時4%強下落。ウェルズ・ファーゴは3.5%安。モルガン・スタンレーはほぼ変わらず。
アナリストらは自社株買いの早期再開や増配ができる銀行があるとは予想していなかった。キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズは、FRBがパンデミックの影響評価で使用した新たな「感度分析」の結果からJPモルガン・チェースとシティグループの減配さえ想定することができると指摘。モルガン・スタンレーのアナリストらはゴールドマンの配当がリスクにさらされていると述べていた。
ブレイナードFRB理事は別の声明で、一段と深刻な景気の落ち込みに見舞われる潜在的リスクに照らし、銀行に配当支払いを継続させるのは誤りだとする見解を示した。
原題:Fed Caps Bank Dividends, Bans Buybacks Through September (1) (抜粋)
(FRB副議長の見解や株価を追加して更新します)
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2020-06-25 21:03:00Z
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