日銀はことし7月28日の会合で金融政策の運用を見直し、長期金利の上昇をそれまでの0.5%程度から、事実上1%まで容認することを決めました。
この日の会見で、日銀の植田総裁は「長期金利が1%まで上昇することは想定していないが、念のための上限、キャップとして1%とした」と述べていました。
しかし、0.5%以下に抑えられていた国債の市場の長期金利は、7月31日に0.6%を突破し、9月11日には0.7%、10月4日には0.8%を超え、31日には一時、0.955%まで上昇。
7月の会合から3か月で事実上の上限としていた1%に迫りました。
こうした急速な長期金利の上昇の背景には、アメリカの金利上昇があります。
アメリカでは経済状況が堅調なことに加えて原油価格の上昇などによるインフレ懸念が根強く、金融引き締めが続くとの見方が多くなっています。
このため、アメリカでは長期金利が上昇傾向にあり、これにつられる形で日本の長期金利はじりじりと上がっています。
長期金利上昇のもう1つの理由は物価が上振れて推移していることです。
日銀が31日に公表した展望レポートでは、今年度から3年間の物価の見通しがいずれも上方修正されました。
物価が上がると資金需要が高まり、金利は上昇すると考えられています。
企業の価格転嫁の動きが進み円安や原油高が物価を押し上げる中、この影響で長期金利の上昇圧力も高まっています。
日銀の内田副総裁は、ことし8月の記者会見で長期金利が1%の水準になれば必ず公開市場操作で金利の上昇を止めるという考え方を示しましたが、このように日銀は長期金利が1%の上限に達した場合国債を無制限に買い入れて金利の上昇を厳格に抑えるとしていました。
しかし長期金利が上限の1%に迫る中、金利を無理に抑え込もうとすると為替の過度な変動を招くリスクがあるほか市場が本来形成する金利の利回り曲線にゆがみが生じ副作用が高まるおそれもあると判断し、今回、金融政策の運用を柔軟化した形です。
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2023-10-31 12:09:41Z
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