米国政府が発行した小切手が、日本の高齢者らに次々と届いている。金額は1400ドル(15万円余り)。受け取った人たちに心当たりはないという。何が起きているのか。
対応した銀行も困惑、コールセンターがパンク状態
ゴールデンウィークを控えた4月下旬の夕方、神奈川県鎌倉市に住む元会社員の男性(79)が自宅のポストを開けると、見慣れぬ英語の封書が届いていた。2通あり、自身と妻あて。差出人欄には「U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY」とある。
「アメリカ財務省? 年金の件で、何か問い合わせだろうか」。大手電機メーカーで働いていた男性は1978年から5年余り、米国の現地法人で勤務経験がある。その間、米国の社会保障税を納めていた。このため、日米間の協定に基づき、夫婦で月500ドルほどの年金を米政府から受け取っている。
封書を開けてみると、米政府発行の小切手が1枚ずつ入っていた。額面はそれぞれ1400ドル。ほかに何も説明文はない。米国駐在経験のある友人に尋ねたところ、「米国のコロナ経済対策の給付金で、手続きすれば小切手を換金できるのではないか」と言われた。妻の分も含めれば、2800ドル(約30万円)相当になる。
男性は「約40年も前に駐在していた外国人にまで支給するなんて、米国は余裕があるな」と思いつつ、銀行の窓口に電話をかけ、手続きについて問い合わせた。すると、対応した女性からは「米国市民が対象だと思うのですが……」と、確認を促された。
その後、在日米国大使館に「…
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2021-05-16 08:00:00Z
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