ヤフーが7月17日に発表したニュースリリースがネット業界や株式市場に波紋を広げています。内容は、連結子会社であるアスクルの現社長の再任に反対するというもので、要するに退任要求です。業績低迷を理由に挙げていますが、アスクルはこれに反発し、提携解消の協議を申し入れたと発表しました。背景には消費者向け通販サイト「LOHACO」事業の収益性が改善しないという問題があります。
【ヤフーのニュースリリースはLOHACO事業の赤字の推移を列挙している】
ヤフーの発表では、8月2日に予定しているアスクルの定時株主総会で、岩田彰一郎代表取締役社長について、再任に反対する議決権を行使するとのこと。ヤフーは2012年にアスクルと資本・業務提携を結び、アスクル株式の約45%を保有する筆頭株主ですから、ヤフーの意向は大きな影響力を持ちます。
アスクルの母体だった文具メーカーのプラスはヤフーに賛同を表明。岩田社長の再任に反対すると発表しています。プラスはアスクル株式の10%超を保有しており、ヤフーとプラスで過半数を占めることになります。
ヤフーが社長に退任要求を突きつけた理由として挙げているのが「業績の低迷」です。特に問題視しているのが、ヤフーの協力で運営しているLOHACO事業。7月3日に発表したアスクルの決算によると、LOHACO事業は約92億円の赤字でした。12年のサービス開始から収益改善が見られないとして、「当社としては現在のEコマース市場の環境下における岩田社長の事業計画の立案力および事業計画の遂行力に疑問を抱くに至りました」としています。
現代ビジネスの報道によると、ヤフーはLOHACO事業をヤフーに譲渡するよう要請したとのことです。ただ、アスクルはLOHACO事業は今後収益が改善するとしており、東証1部に上場する独立した企業でもありますから、既存株主の利益につながらないとして拒否したようです。
アスクルは17日、ヤフーの発表を受け、「ヤフー社より当社社長に対する退陣要求を受けていること、ならびに、当社からヤフー社に対し提携関係の解消協議を申し入れたことは事実であります」と発表しました。「提携解消」でヤフーに反撃する構えを見せていますが、ヤフーのニュースリリースの文面を読むに、筆頭株主であるヤフーがアスクル株を売却する可能性は低そうです。
【関連記事】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190717-00000063-it_nlab-bus_all
2019-07-17 05:40:00Z
52781819032997
Tidak ada komentar:
Posting Komentar