飲食店の休業などで行き場を失った食材を流通させるのに活躍中の産直サイト「食べチョク」。コロナ禍で会員が40倍超にもなったというサイトだが、代表の秋元里奈さんは経営の現状をどうみるのか、聞いてみた。
生産者からの「SOS」
――コロナ禍で、事業規模が大きく拡大したそうですね。
「昨年末時点の登録者数は約50万人で、1年前の43倍です。生鮮食品のEC(ネット通販)自体が大きく伸びたことが背景にありますが、特に大きく伸びたのが去年の3~5月。一斉休校の要請や最初の緊急事態宣言が出された時期です。学校給食やイベントがなくなり、大量の在庫を抱えた生産者さんたちが『SOS』を出していました。私たちは社内資源のすべてを生産者支援に振り向けました。困っている生産者をサイトで紹介する取り組みには大きな反響があり、それまでの1カ月分の注文量が、一気に1日で入ってくるまでになりました。当時いた従業員10人ほど全員で問い合わせ対応に入って何とか切り盛りしました」
秋元里奈さんの経歴
あきもと・りな 1991年生まれ。神奈川県相模原市の農家に生まれ、慶応義塾大理工学部を卒業後、2013年にディー・エヌ・エー(DeNA)入社。退社後、16年にビビッドガーデンを創業し、17年に産直サイト「食べチョク」を始める。
――これほど利用が伸びると予想されていましたか。
「ECは将来的に間違いなく伸びていく市場ではありますが、ここまでとは思っていなかったです。ただ、1カ月先が読めない今の状況は、実は経営の難易度がすごく高いです。我々はコロナ禍による巣ごもり需要の後押しを受けて大きく成長しましたが、それでも『早く終息してほしい』というのが正直な思いです」
「一方で、世の中が大きく変わり、複雑さが増している今だからこそ、しっかり考え抜いて早く一歩を踏み出した企業は大きなゲームチェンジができ、社会に新たな価値を提供できる機会が得られます。そういう意味では、大きな変化はチャンスだともとれます」
選ばれた理由
――コロナ禍で消費者の価値観にも変化がありましたか。
「大きく変わったと感じます。私は実家が農家だったこともあり、『生産者のこだわりが正当に評価される世界を実現したい』という思いから、品質や製法にこだわった野菜などを買いたい消費者と、そういう商品をつくる生産者とをつなぐ『食べチョク』を始めました。コロナ禍で社会全体が苦しい状況に置かれるなか、生産者や流通業者といった存在にまで目が届き、感謝が芽生えるようになりました。私たちが思い描く世界観に、かなり近づいているといえるかもしれません」
「コロナ以前から、SNSの普及などにより情報伝達の仕組みが変わったことで『ストーリー消費』は盛り上がりをみせていました。産直サイトや野菜が買えるサービスがほかにもある中で、『食べチョク』で商品を買ってくれるのは、私たちのもつ思想への共感があるからだろうと感じます」
――将来のビジョンは。
「『食べチョク』を大きくして、より多くの生産者に貢献するのが大前提ですが、それだけだとやれることが限られます。個人だけでなく、事業者向けにも商品を提供していきたいですし、生産者の困りごとの解決も手伝いたい。将来的には、中小規模の1次産業事業者を経営面で全面的にサポートできる事業を展開できればと思っています」
記事の後半では・・・
朝日新聞の主要100社アンケートの結果を見つつ、秋元さんのジェンダー平等実現への思いを聞きました。
■脱炭素にはポジティブなのに…
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiN2h0dHBzOi8vd3d3LmFzYWhpLmNvbS9hcnRpY2xlcy9BU1A2TDY2QjFQNkJVTEZBMDFXLmh0bWzSATtodHRwczovL3d3dy5hc2FoaS5jb20vYW1wL2FydGljbGVzL0FTUDZMNjZCMVA2QlVMRkEwMVcuaHRtbA?oc=5
2021-06-20 02:00:00Z
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