14年近く務めた社長からの退任を26日に発表したトヨタ自動車の豊田章男社長(66)。後任に選んだ佐藤恒治執行役員(53)に社長就任を内示したのは昨年12月、タイで開かれていた耐久レースの現場だった。
「ちょっといい?」。爆音を上げて次々と車が走り抜けるサーキットで豊田社長は佐藤氏に声をかけた。「お願い聞いてくれる?」。「もちろんです」と応じた佐藤氏に豊田社長は「社長やってくんない?」。突然の内示に、佐藤氏はどうリアクションをしたらいいのか分からなかったという。
トヨタはこのレースに、未来を見据えて開発を続ける水素エンジン搭載車とカーボンニュートラル燃料を使用した車両で参戦。「モリゾウ」の名でレースに出ている豊田社長もハンドルを握り、佐藤氏はトヨタのモータースポーツ部門「ガズーレーシングカンパニー」のトップとしてその場にいた。
「彼とは一緒に車に乗ったり、現場でエンジニアも一緒だったりする場面が多かった。改めてどこかに呼んで話をするより、その延長線上でお願いをしたほうがいいと思った」と豊田社長。その後、2人でレースを見ながら、車への思いや今後の経営について話したという。佐藤氏は「ずっと話をして、気持ちを整えていくような時間だった。(現場での内示は)今にして思えば、あまり深刻になりすぎないような配慮だったのだと思う」と振り返る。
独自のスタイルでトヨタを率いてきた豊田社長。「車を作ることが大好き。車を作り続ける社長でありたい」と決意を示した、根っからのエンジニアである次期社長へのバトンタッチでも「章男流」を貫いた。【鈴木泰広】
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2023-01-26 13:16:50Z
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