Jumat, 31 Mei 2024

みずほ銀行や三井住友信託銀行、6月の固定型住宅ローン金利引き上げ - 日本経済新聞

大手銀行やネット銀行は6月から、固定型の住宅ローン金利を引き上げる。3メガバンクの10年固定型の基準金利の単純平均は0.08%上昇の3.89%と2011年以来13年ぶりの水準となり、優遇後の金利でも1.5%となった。足元の長期金利の上昇を反映するためで、これから固定型を借り入れる消費者にとっては支払い負担が増えることになる。

比較可能な3メガバンクの10年固定型の優遇適用前の基準金利でみると、11年5月の4%以来の水準だ。最優遇金利は三菱UFJ銀行が0.14%高い1.2%、三井住友信託銀行は0.1%高い1.445%となった。三井住友、みずほ、りそなの各銀行はそれぞれ0.05%引き上げて1.75%、1.55%、1.83%となった。

住宅ローンには固定型のほか、短期金利に連動する変動型などがある。大手行は変動型の基準金利は2.475%で据え置いた。

住宅ローン金利は日銀の超低金利政策の影響で、長い間、低金利が続いてきた。支払い総額が抑えられるため、住宅購入の際に住宅ローンを利用する消費者は多く、日銀によると、直近の24年1〜3月期の国内銀行の住宅資金の融資実行額は4兆6388億円と03年以来の高水準となっている。国内銀行の融資残高も3月末時点で約147兆円と、一貫して増加傾向だ。

ここにきて固定型の住宅ローン金利が上昇しているのは、各行が金利を決める際のベンチマークとする長期金利の上昇の影響が大きい。長期金利は30日に一時1.1%をつけるなど、およそ13年ぶりの水準で推移する。今後も高水準が続けば、7月以降もさらに住宅ローン金利が上がる可能性がある。

変動型でも住信SBIネット銀行とイオン銀行が3月のマイナス金利解除後に、基準金利を先行して引き上げたほか、楽天銀行も基準金利を6月から1.333%と、5月に比べて0.02%高い水準に設定する。

変動型は大半の銀行が短期プライムレート(短プラ)をベンチマークとしており、今後の焦点は日銀の追加利上げの是非となる。将来、日銀が追加利上げに踏み切れば短プラの引き上げが視野に入るためだ。

住宅ローン金利上昇の影響で、今後消費者の借り入れ意欲が鈍り、銀行の新規貸出額にも影響する可能性がある。これに対する銀行の戦略は分かれており、ネット銀行や異業種系の銀行は優良な新規顧客には金利を優遇し、囲い込む戦略を模索する。

住信SBIネット銀は23年11月に、変動金利での新規借入時に頭金が住宅価格の2割以上の場合、金利を引き下げる仕組みを導入した。PayPay銀行やイオン銀行も頭金に応じて金利水準を変える枠組みを取り入れる。頭金の割合が高い顧客は総支払い額が少なくなり、その分延滞や貸し倒れに陥るリスクも低い傾向にあるためだ。

あるネット銀の幹部は「資産価値の高いマンションのローンは金利を下げる」と明かす。多くの銀行は住宅ローン実行額の2%程度を手数料として徴収しており、ローン金利自体が低くても、一定の手数料収入を確保できる。一部のネット銀は総合的な採算を確保しつつ、ローン金利については大手銀行などよりも低い水準を維持し続けるとみられる。

一方、大手銀行はネット銀の戦略とは距離を置いており、たとえばみずほ銀の変動型の最優遇金利は0.375%と、0.3%台前半のネット銀と比べれば高い。金利上昇を収益性の改善につなげていきたい考えだ。

住宅ローン金利の上昇の消費者行動への影響について、住宅ローン比較サービスを運営するMFSの塩沢崇取締役は「影響は限定的だ。変動型の人気は根強く、今回の固定金利上昇でもその傾向は変わらない」と話す。固定型と変動型の金利差は拡大しており、元本3500万円の場合で支払い額に月々2万円の差が出るという。足元では住宅ローンの契約者の7割が変動型を選んでいるとされる。

東京23区での新築分譲マンションの平均販売価格が1億円を超えるなど、マンション価格の高騰が続いている。共働き世帯を中心に高額のペアローンを組む動きも広がる。フィナンシャルプランナーの有田美津子氏は「将来的な返済額を考え、生活にゆとりがなければ金利差があっても固定金利を選ぶのが選択肢だ」と述べる。変動金利を選んだ場合、金利が大幅に上昇すれば、支払い額が膨らみ家計が窮するリスクがあるためだ。将来の金利変動の可能性を見据えた家計のリスク管理が重要になる。

「金利ある世界」への回帰は家計にとってマイナス面ばかりではない。日本総合研究所によると、市場金利が5年かけて2%上昇した場合、定期預金や普通預金の金利上昇で家計の利息収入は年間8.7兆円増える。住宅ローンなどの利払い負担の増加(年間4.4兆円)を上回り、4.3兆円の受け取り超過になる。

もっとも家計ごとの資産や負債の構成によって影響度合いは異なり、現役世代の負担が重くなるのは否めない。若年層や中年層は住宅ローンなどの負債が大きく、世帯主が39歳以下や40歳代の世帯では支払い超過になる。預金が大きい50歳代、60歳代、70歳以上の世帯では受け取りの方が多くなり、70歳以上では金利収入が14万円増える。

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2024-05-31 04:56:13Z
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