日本銀行の植田和男総裁は27日、今後の金融政策運営について、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を目指して注意深く進めていく考えを示した。本店で開いた国際会議における英語でのあいさつの邦訳を公表した。
植田総裁は、日銀の目標は2%のインフレを持続的かつ安定的に実現することだとし、「インフレ予想をゼロ%から押し上げることには成功したように思うが、 それを今回は2%の目標値にアンカーしなければならない」と指摘。その上で、「インフレ目標の枠組みを有する他の中央銀行と同様に、その実現に向けて注意深く進んでいくつもりだ」と語った。
日銀が3月に17年ぶりの利上げに踏み切った後も外国為替市場では円安圧力が継続しており、市場では早期の追加利上げや国債買い入れの減額に対する思惑が強まっている。長期金利が12年ぶりの1%台に達する中で、植田総裁の発言が注目されたが、金融政策に関する踏み込んだ言及はなかった。
多角的レビュー
総裁は日銀が直面する主要な課題の一つに、「自然利子率をできるだけ正確に把握すること」を挙げた。正確な計測はどの中央銀行にとっても容易ではないとしつつ、過去30年間も短期金利がほぼゼロに張り付いてきた日本では「特に難しい」と説明。金利変動に対する経済の反応度合いを計測することに「相応の難しさがある」と語った。
今回の国際会議は、過去25年間の非伝統的な金融政策の効果と副作用などを検証する多角的レビューの一環でもある。総裁は長引いたデフレ経済の中で、日銀が困難に直面した一つの理由として「低インフレが持続するという予想が定着したことが重要な意味を持った」と指摘。それが「企業の戦略的な価格設定行動の変化につながり、ゼロ・インフレのわなに陥っている期間を長引かせることになった」と述べた。
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(総裁発言の詳細を追加して更新しました)
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2024-05-27 00:11:56Z
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