【ニューヨーク=斉藤雄太】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均が一時、取引時間中としては初めて4万ドルの大台を付けた。インフレの鈍化で米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに転じ、米経済が急減速を回避する「軟着陸」を実現するとの期待から買いが広がった。午後には利益確定の売りが優勢になり、終値は3日ぶりに反落した。
ダウ平均は一時、前日比143ドル高の4万0051ドルまで上昇した。終値は38ドル(0.1%)安の3万9869ドルだった。ダウ平均と同様に前日最高値を付けていたS&P500種株価指数とハイテク株中心のナスダック総合株価指数もこの日は下落して終えた。
個別銘柄では、朝方発表の四半期決算が好調だった小売り大手ウォルマートが7%上昇した。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や航空機製造のボーイングもそれぞれ3%超上がった。半面、ネットワーク機器のシスコシステムズや建設機械のキャタピラーは2%以上下落した。
バイデン米大統領は16日、ダウ平均が一時4万ドルを突破したことを受け「米国の年金口座にとって素晴らしいニュースであり、米経済への自信の表れでもある」とX(旧ツイッター)に投稿した。
ダウ平均は終値で大台超えはならなかったものの、4月末の直近安値(3万7815ドル)との比較では、およそ2週間で2000ドル超上昇している。原動力の一つがFRBの利下げ期待の持ち直しだ。年初から米景気・物価の強さを示す指標が相次ぎ、市場の利下げ観測は大きく後退していた。
5月に入って公表になった4月分の米雇用統計や小売売上高などは軒並み市場予想を下回り、15日発表の4月の消費者物価指数(CPI)も伸びが鈍った。米経済の過熱感やインフレ高止まりへの懸念が薄れ、市場ではFRBが年後半に利下げを始めるとの見方が盛り返している。金利上昇が一服し、株高につながった。
堅調な企業収益への期待も株式相場を押し上げている。QUICK・ファクトセットの集計によると、S&P500採用銘柄の24年の1株当たり利益(EPS)は前年比11%増と3年ぶりの高い伸びになる見通しだ。
大手上場投資信託(ETF)運用会社グローバルXの投資戦略責任者、スコット・ヘルフスタイン氏は「人工知能(AI)や自動化といったイノベーションが定着し、企業の収益性が伸びている」と指摘。米株相場は一段高を試すとみる。
米株相場は急ピッチな上昇に伴う過熱感も出ており、利益確定の売りも出やすい。
FRBのパウエル議長は14日のイベントで「我々は忍耐強く、引き締め的な政策が役割を果たすのを待つ必要がある」と語り、高い政策金利を当面維持する姿勢を示した。長引く高金利は中低所得層の消費や地銀経営などに打撃を与えている。市場の楽観論の前提にある米景気の底堅さを維持できるかが株高の持続力を左右しそうだ。
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2024-05-16 20:46:03Z
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