【ニューヨーク=後藤達也】4日の米債券市場で10年物国債の利回りが一時1.54%と前日より0.07%上昇した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日昼の討論会で大規模な金融緩和を続ける姿勢を示したが、市場では「長期金利上昇へのけん制が期待されたほど強くなかった」と受け止められた。ダウ工業株30種平均は一時前日比700ドル超安まで下落した。
市場では春以降の景気急回復やインフレ加速の観測が強まっている。FRBは早ければ今年中にも資産購入の減額に着手するとの思惑も浮上しており、長期金利に上昇圧力がかかっている。10年債利回りは2020年末と比べ、0.6%以上高く、急ピッチな上昇が続いている。
金利上昇は株式市場への逆風となっている。主要IT(情報技術)株の多いナスダック総合指数は米東部時間4日午後2時時点で前日比3.1%ほど下落し、年明けからの上昇を一時帳消しにした。低金利の長期化は年明けまでの株式市場の前提だっただけに反動が強まっている。2020年に急上昇した電気自動車のテスラの株価は調整が深まっており、4日は一時7%安となった。
米金利が高まったことで外国為替市場では金利差に着目したドル買いが強まっている。対円では一時1ドル=107円80銭台と約8カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。ニューヨーク市場の金先物価格は前日より1%強値下がりした。金利がつかない金は低金利下で買われやすいが、金利上昇を受け、相対的な妙味が低下している。
パウエル議長は米経済情勢はFRBの雇用や物価の目標から「かけ離れている」と述べ、利上げや資産購入の修正が近い将来に実施されないことを改めて強調した。2月以降の長期金利の上昇について、「不規則な動きで目標達成が脅かされないよう注意したい」との考えを示した。
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2021-03-04 19:23:52Z
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