トヨタ、10－12月期営業利益21％減－円安追い風も生産遅延が影響 - ブルームバーグ

トヨタ自動車は９日、今期（2022年３月期）の営業利益が前年同期比21％減の7843億円だったと発表した。ブルームバーグが事前に集計した市場予想の平均値を上回った。為替の追い風があったものの、販売する台数の減少や商品構成の悪化などが響いた。

トヨタディーラーの看板（都内、１月28日）

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

　　トヨタの発表資料によると、為替の円安傾向が営業利益を前年同期比で1900億円押し上げる要因となったが、販売面での影響のほか原価改善や経費削減の効果が前年同期を下回り、減益となった。ブルームバーグが事前に集計したアナリスト11人の営業利益の予想平均値7494億円は上回った。

トヨタ10－12月期業績
売上高：７兆7857億円、市場予想７兆5847億円 営業利益：7843億円、市場予想7494億円 純利益：7917億円、市場予想6192億円

　　通期の為替前提は１ドル＝111円、１ユーロ＝129円と従来見通しからそれぞれ１円円安方向に修正した。

　　今期（2022年３月期）の業績見通しでは売上高を29兆5000億円に引き下げた。営業利益と純利益については従来見通しを据え置いた。資料によると、為替変動による影響が従来計画比で営業利益を950億円押し上げる要因となるものの、販売台数の減少などによって相殺される見通し。

　　トヨタは昨年秋以降、半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大の影響で生産が停滞。「先行きが見通しにくい状況」だとしてトヨタ・レクサスブランドの通期の世界生産台数見通しを第２四半期決算時に示していた900万台から850万台に引き下げた。

　　２月は70万台程度、３月は95万台程度の生産との想定を置いたほか、コロナ影響や天候不順などによる10万台程度の下振れリスクを「保守的」な見積もりとして織り込んだ。小売りベースの世界販売台数は940万台と従来見通しを据え置いた。

挽回なるか

生産は回復傾向にあったが、足元では再び減産の懸念が高まっている

出典：トヨタ自動車

　　ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは10－12月期の結果について、「想定線をやや上回るが大きなサプライズはない」と評価。その一方で、通期の営業利益見通しを据え置いたことに関しては、４－12月期時点で進捗（しんちょく）率が９割を超えている状況を踏まえると「非常に保守的」との見方を示した。

　　減産の影響に加え、業績の足かせ要因となっているのが、原材料価格の高騰だ。通期では営業利益ベースで前期比での押し下げ幅が6300億円となる見通しで、過去に例のない水準だという。

 

 

（更新前の記事は、第４段落の今期売上高予想について、引き上げたとしていたものを引き下げたに訂正しています。）

(資料の数字を追加して更新します)

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2022-02-09 04:39:48Z
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