北陸新幹線の金沢―敦賀(福井県敦賀市)間が延伸開業した16日、福井、石川の両県に新設された駅や観光地に多くの観光客が訪れた。北陸新幹線の延伸開業で、関西や名古屋から北陸に向かう場合、これまで直通していた在来線特急「サンダーバード」「しらさぎ」の乗客は、敦賀駅で新幹線への乗り換えが必要になった。専門家は、乗り換え負担による乗客離れを懸念する。
敦賀駅の新駅舎(高さ約37メートル)は3層構造で、1階に在来線特急、3階に新幹線のホームが設けられている。乗客は、2階のコンコース(長さ約200メートル)を経由して上下間を移動する。
16日は、列車が到着するたび、スーツケースを引いた旅行客らがコンコースにあふれ、JR西日本の社員や警備員ら計約100人が誘導し、「右側をお通りください」などと呼びかけた。
金沢へ向かう大阪府枚方市の会社員男性(57)は大きなリュックサックを背負い、「これまでは、特急1本で行けたのにという気持ちもぬぐえない」と話した。
JR西は、敦賀駅での乗り換え時間は8~19分と想定してダイヤを組んでいる。
大阪―福井間の所要時間は最速1時間44分で、これまでより3分の短縮にとどまる。一方、金沢へは2時間9分で22分、富山へは2時間35分で29分短縮される。
能登半島で大きな被害を受けた観光地・和倉温泉に直通していたサンダーバードも廃止された。今後は敦賀で新幹線、金沢で在来線特急への乗り換えが必要になる。
鉄道ジャーナリストの梅原淳さん(58)は「乗り換えを嫌う乗客は多く、不便だと認識されると、特に福井では高速バスなどに流れる恐れがある。新幹線と在来線特急を対面するホームに停車させるなど利用者目線に立った改修の検討も必要だ」と指摘する。
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2024-03-17 09:00:00Z
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