―史上最高値圏まい進から一転、3万9000円台割り込む―
週明け11日の東京株式市場は日経平均株価が急落、先物を絡めた売りで一時1200円近い下落となり3万9000円台を割り込んだ。これまでの上昇ピッチも早かったが、その反動とはいえきょうは下げ圧力の強さが際立っており、つい最近まで強気に傾いていた投資家心理を揺さぶっている。日銀の金融政策変更に向けた思惑が取り沙汰されるなか、3月期末から新年度に向けた相場はどのような値動きを示すのか。第一生命経済研究所の桂畑誠治氏に今後の展望を聞いた。
●「日銀の政策変更観測を嫌気も押し目買い対処」
桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)
週明けの日経平均は先物主導で大きく値を崩し下げ方も激しいものとなった。世界的にみて日本株市場だけが大きな下げに見舞われているのは、これまで超緩和的な金融政策をとってきた日銀の政策変更に対する思惑が背景にある。具体的には、マイナス金利の解除が次回3月18~19日の会合で行われるとの見方が急浮上してきていることで、マーケットはその思惑を嫌気している。
一方、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が6月にも利下げに踏み切るとの見方が強まり、日米金利差縮小を背景とした外国為替市場でのドル売り・円買いを誘発している。円高の進行はハイテクや自動車など輸出セクターを中心に収益下押し要因となるため、株式市場には株安誘導要因として警戒されている。
ただし、日銀は次回3月の会合でマイナス金利を解除したとしても、その後段階的に利上げを続けていくことは考えにくく、緩和的な金融環境は当面は維持されると思われる。目先は日銀の政策方向転換の可能性が過剰に意識されて売りを誘発しているが、これまでの株高の反動とみれば、それほど慌てる必要はない。次回会合でETFなど資産購入の大幅な見直しにまで言及した場合は、一段の下げもあり得るが、そうでなければ会合後は出尽くし感から戻り足に転じるケースは十分に考えられる。企業業績をベースとした投資指標に割高感はなく、企業の経営改革への取り組みに対する期待感も継続しており、ここでの押し目は買い場を提供している可能性もある。
3月上中旬から4月中旬にかけて、日経平均の向こう1ヵ月のレンジは下値が3万7500円前後、上値は4万500円程度を想定している。押し目買い対象としては、金融政策の正常化で恩恵を受ける銀行セクターのほか、インバウンド需要復活が追い風となっている小売セクターをマークしておきたい。また、半導体製造装置関連などの深押しは中長期視野に立って拾い場といえそうだ。
(聞き手・中村潤一)
<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。
株探ニュース
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2024-03-11 09:30:00Z
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