メルセデス・ベンツ日本は4日、初となる電気自動車(EV)の「EQC」を日本で初公開した。多目的スポーツ車(SUV)「GLC」をベースとしたEVで、一回の充電で400キロメートル走行できる。652キログラムのリチウムイオン電池を搭載しつつも、重さを感じない走行性能や安全性能を売りとする。利便性や先進性をアピールし、EVを売り込む。
4日に都内で開かれた発表会で上野金太郎社長は「EQCは多くの最新技術を搭載しており、普通の車としても勝負できる性能。EVのカーライフを体験してほしい」と自信を見せた。
「EQC400 4MATIC」を発売する。発売日は未定で2020年春ごろから納車を開始する。価格は税込み1080万円。
先行して内装を豪華にするなど変更点を加えた特別仕様車「EQCエディション1886」を18日から55台限定で発売する。同社のウェブサイトを通して予約を受け付ける。10月以降、順次納車する予定。価格は同1200万円。
2つの電気モーターを搭載する。停止状態から時速100キロメートルまで5.1秒で達する加速力を持つ。最高速度は時速180キロメートル。
車重が2495キログラムとベースモデルのGLCと比較しても700キログラム以上重いが「走行性能や安全性を損なうことなくメルセデス品質を維持した」(メルセデス・ベンツ)と航続距離と走行性能の両立を売りとする。
充電時間は約13時間かかる。急速充電では約80分で満充電できる。
全国で2万1000カ所以上の提携する充電設備で充電を購入から1年間無料にするなど利便性も打ち出す。
購入者は年1回、5年間で5回まで同社が手がけるレンタカーサービスを無料で利用することができる。旅行など長距離を走行したい場合にガソリン車などに乗ることで航続距離を心配しなくて済む。「航続距離など顧客の不安を払拭することで購入への心理的ハードルをなくす」(上野社長)
人工知能(AI)による音声認識機能を搭載。車に話しかけることで充電スポットやバッテリーの残量などを確認できる。高速道路を走行時に車線変更を支援する機能など、旗艦車種「Sクラス」と同等の先進安全支援機能も充実させた。
(為広剛)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46950490U9A700C1X12000/
2019-07-04 05:58:00Z
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