[14日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabの株主は13日、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の560億ドル規模の報酬案を承認した。米企業としては史上最高額となる。マスク氏のリーダーシップに支持を示すと同時に、テスラ経営に引き続き集中するよう求めた格好だ。
しかし、テスラの株価は数年にわたり低迷した後もなお高いバリュエーションを維持している。
株主総会を前に、株主に報酬案が承認されたとマスク氏がXに投稿すると、テスラの株価は3%近く上昇した。
ただ、年初来では27%下落。テスラが中国で比亜迪(BYD)(1211.HK), opens new tab(002594.SZ), opens new tabなどと激しい価格競争に直面する中、時価総額は2021年11月に付けた過去最高額から5820億ドルに半減した。
テスラ株は4月、25年にもっと手頃な価格の新モデルを発売するとマスク氏が発表した後、大幅上昇に転じた。
対照的に、他の米ハイテク大手は年初来で急騰。アマゾン(AMZN.O), opens new tab、アルファベット (GOOGL.O), opens new tabはそれぞれ20%超上昇、メタ(META.O), opens new tabは40%超も上昇、エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは3倍近く上昇している。テスラの時価総額はイーライリリー(LLY.N), opens new tabとブロードコム(AVGO.O), opens new tabにも後れを取っている。
アナリストのテスラに対する楽観論は急激に冷え込んでいる。LSEGによると、アナリストによるテスラの平均目標株価は24年初頭の226ドルから現在181ドルに下がり、13日の終値182.47ドルをわずかに下回っている。
マスク氏は投資家に対し、テスラを自動車メーカーではなく「人工知能(AI)ロボット企業」と見なすべきだと語ってきた。テスラ株は長い間、多くのテクノロジー企業よりも高いバリュエーションで取引されてきた。
テスラ株の予想PER(株価収益率)は約61倍で、1月の約22倍から上昇しているが、21年11月に記録した150倍を大きく下回っている。
これに対し、米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)(GM.N), opens new tabとフォードモーター(F.N), opens new tabの予想PERはそれぞれ5倍、6倍、トヨタ自動車(7203.T), opens new tabは9倍だ。
テスラに対する評価額の高さを反映するもう一つの例として、テスラの従業員1人当たりの時価総額の高さがある。テスラの1人当たり時価総額は約600万ドルと、2年前よりわずかに減少しているが、それでもGMとフォードのほぼ20倍だ。
テスラは一時期より株価が下落しているものの、自動車生産台数で世界最大のトヨタを時価総額で大きく上回り、世界で最も価値の高い自動車メーカーであり続けている。
トヨタの時価総額は約2700億ドル。テスラ株は20年に急上昇し、トヨタとフォルクスワーゲン(VOWG_p.DE), opens new tab、現代自動車(005380.KS), opens new tab、GM、フォード、BMW(BMWG.DE), opens new tabの合計時価総額を上回った。ただ、今年1月の株価下落以降は再び下回っている。
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2024-06-14 09:30:16Z
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