全日本空輸(ANA/NH)は5月24日、総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」を成田-ホノルル線に就航させた。当初は週3往復で、7月から週10往復に増やす。1便あたりの座席数が従来の約2倍となる520席に増え、2020年度にはハワイ路線のシェア25%獲得を目指す。
—記事の概要—
・全機ホノルル線に
・平子社長「丸み帯びた機体にホヌのデザイン似合ってる」
全機ホノルル線に
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、A380の新造機3機を発注したと2016年1月29日に発表。成田-ホノルル線に全機を投入する。初号機(登録記号JA381A)が24日に週3往復で就航後、2号機(JA382A)の運航を6月中に始める予定で、7月1日から投入便数を週10往復に拡大する。最後の3号機(JA383A)は2020年春に就航する見通し。エンジンはロールス・ロイス製トレント900を採用した。
「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」と名付け、全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施した。初号機が青(ANAブルー)、2号機が深緑(エメラルドグリーン)、3号機がオレンジ(サンセットオレンジ)と、1機ごとに色と表情が異なるデザインが採用された。
座席数は4クラス520席で、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。各クラスにパソコン用電源と充電用USB端子を備えるほか、Wi-Fiを使った機内インターネット接続サービスを提供し、バーカウンターをクラスごとに設ける。
アッパーデッキ(2階席)にファーストとビジネス、プレミアムエコノミーを設定。ANAのホノルル線では初のファーストは、日本初のドアを備えた個室型シートを導入した。ビジネスクラスは、家族やカップルが隣同士で座れるペアシートを設けるほか、間仕切りの高さを顔の高さに合わせることで、他人同士になった場合でも隣席を気にせずに過ごせるようにした。
メインデッキ(1階席)はすべてエコノミーで、後方6列60席に日本の航空会社では初となるカウチシート「ANA COUCHii」を導入。付近にはシンクや着替え台、おむつ交換台などを備えた多目的ルームを設け、授乳やおむつ交換といったニーズにも対応する。
平子社長「丸み帯びた機体にホヌのデザイン似合ってる」
就航に先立ち、成田空港では式典が開かれ、フラダンスなどのパフォーマンスが披露された。また、機体をデザインした増岡千啓(ちひろ)さんが招かれ、機内安全ビデオに登場するウミガメたちも登場した。
ANAの平子裕志社長は、「A380は丸みをおびた機体で、ホヌのデザインが似合っている」と機体を紹介した。増岡さんは「30センチくらいの絵だったが、24倍の全長73メートルの機体に描かれ、初めて見て大きいなと思った。かわいい口をつけていただき、親しみやすいデザインになった」と感想を述べた。
初便のホノルル行きNH184便は、乗客512人(幼児13人含む)と乗員24人(パイロット2人、客室乗務員22人)を乗せ、午後8時10分に成田空港の45番スポット(駐機場)を出発。午後8時38分にA滑走路から離陸した。ホノルルには現地時間24日午前8時30分に到着する見通し。乗客にはトートバッグなどの記念品が手渡された。
ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)には、A380就航に伴い、海外の就航先では唯一の自社ラウンジを新設。アッパーデッキへ直接搭乗できるようにする。
空港内で最大規模となり、ターミナル2の3階、エバ・コンコースにあるC4搭乗口上にオープンする。ファーストクラスの乗客やマイレージサービス最上級会員用の「ANAスイートラウンジ」と、ビジネスクラス客などが使える「ANAラウンジ」を設け、C4のほかにC9搭乗口もA380対応に改修し、同じ時間帯にA380による運航便が重なっても対応できるようにする。
ANAはハワイ路線に現在、ボーイング787-9型機(3クラス246席:ビジネス40席、プレミアムエコノミー14席、エコノミー192席)を投入しており、同路線のシェアを現在の15%から、A380が全機そろう2020年度以降は25%へ引き上げを目指す。
関連リンク
#hawaii24(ANAの特設サイト)
全日本空輸
Daniel K. Inouye International Airport
Airbus
エアバス・ジャパン
写真特集・ANA A380 FLYING HONUの機内
(1)個室ファーストクラスでプライバシー確保(19年5月21日)
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2号機成田到着
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ホノルルのラウンジ公開 ・ANA、ホノルルのラウンジ公開 A380の2階直結、ダイヤモンドヘッド一望(19年5月9日)
ホノルルでフィットチェック
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機内公開
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・なぜA380は羽田に就航できないのか 特集・訪日4000万人達成を考える(17年7月20日)
・ANAのA380、デザインは「空飛ぶウミガメ」 成田-ホノルル19年就航(17年3月6日)
・【スクープ】ANA、A380を成田投入へ 羽田就航見送り、ホノルル線(16年10月24日)
・ANA、A380を3機正式発注 ホノルル線に18年度以降(16年1月29日)
・なぜANAはハワイにA380を導入するのか 特集・A380はゲームチェンジャーか(16年1月5日)
・ANAがA380導入!? 特集・スカイマーク”官邸主導”再建(後編)(15年8月6日)
https://www.aviationwire.jp/archives/173782
2019-05-24 12:31:00Z
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