Sabtu, 09 Oktober 2021

NY商品、原油が続伸 一時80ドル台と7年ぶり高値、金は続落 - 日本経済新聞

【NQNニューヨーク=川内資子】8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、期近の11月物は前日比1.05ドル(1.3%)高の1バレル79.35ドルで取引を終えた。一時80.11ドルまで上昇し、期近物として2014年11月以来ほぼ7年ぶりの高値を付けた。経済活動の正常化を背景に原油需要が高まる一方で供給は伸び悩み、需給が逼迫した状態が続くとの見方から買いが優勢となった。

景気回復で米国での原油需要が市場参加者が想定していた以上に増えている。消費が増える冬場を控えて需給逼迫への懸念から、欧州では天然ガス価格が急騰。中国での電力不足もあり、このところエネルギー全般の価格が上昇している。相対的な割安感から原油が買われやすい状態が当面続くとの見方が広がった。

一方、供給は伸びにくい状態となる。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟の産油国からなる「OPECプラス」は協調減産を縮小しているが、ペースは鈍い。原油高を抑えるため米政府が石油の戦略備蓄を放出するとの観測が出ていたが、米エネルギー省は7日、「現状では(戦略備蓄放出の)差し迫った計画はない」との声明を公表。目先は原油先物相場の上昇に歯止めがかかりにくくなったとの見方が買いを誘った。

WTIは米国で新型コロナウイルスの感染が拡大が鮮明になった2020年4月に一時マイナス40ドルまで下落。その後は景気回復による需要増の見方が高まるにつれて上げ基調を強め、今年に入ってからの上昇率は6割を超える。

ニューヨーク金先物相場は小幅に続落した。二ューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比1.8ドル(0.1%)安の1トロイオンス1757.4ドルで終えた。朝方発表の9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比で市場予想ほど増えなかった。外国為替市場でドルが対ユーロなどで売られ、ドルの代替投資先とされる金先物には買いが先行した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策を縮小するとの見方は変わらず、金には次第に利益確定目的の売りが優勢となった。

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2021-10-08 20:15:04Z
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