仕事を失ったり、休業に追い込まれたりした働き手を助けてくれるはずの雇用保険の信頼性がコロナ禍で問われています。どこが問題で、どう見直すべきなのでしょうか。コロナ禍での雇用や社会保険のあり方について研究している、名古屋大の和田肇名誉教授(労働法)に聞きました。
カバー範囲が広い重要な制度
――来年度の保険料率など雇用保険の課題についていま、厚生労働省の審議会が議論しています。
「まず、雇用保険というと仕事を失ったときに受け取る失業給付がイメージされます。だがじつは雇用調整助成金(雇調金)や育児休業給付、職業訓練といった多彩な事業があって、カバーする範囲が広い。日本の労働政策のなかで重要な位置を占める制度だと認識しておくことが大事です。しかもコロナ禍のような経済危機時に大きな力を発揮するべき制度です。平時から災害や経済恐慌が来るのを前提とした準備が必要になります」
「コロナ禍では雇用保険料の年間収入や、過去の保険料をためた積立金のみでは支出をまかなえず、税金を1兆円以上投入することになりました。コロナ禍前に積立金が潤沢にあるとみなして雇用保険料を引き下げていましたが、準備が不十分でした」
「経済危機や大災害は10年か20年おきに起きています。だからコロナ禍が予想外という言い訳は通用しません。次の危機がまた来るという前提で議論するべきです。雇用保険やセーフティーネットの問題が可視化したいまこそが見直しのよい機会です」
労働者1200万人が対象外?
――どこを見直すべきですか。
「コロナ禍では休業や営業自粛で多くの非正規雇用労働者の働く時間が減りました。それなのに、労働時間が週20時間未満の人が雇用保険から適用除外されるのは問題です。日本で雇われている従業員数は5600万人います。そのなかで雇用保険に加入しているのは4400万です。つまり1200万人が労働者でありながら対象外になっている。この多くは非正規雇用だと推測できます」
「非正規雇用の多くが主婦に…
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2021-10-10 21:00:00Z
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