政府は24日、ガソリンや灯油などの燃油価格の急騰を抑える価格抑制策を初めて発動する方針を固めた。発動条件となるレギュラーガソリンの全国平均小売価格が1リットル当たり170円を超える見通しになったため。最新の価格は26日に発表予定だが、集計段階で170円超えが確実となり、政府は石油元売り会社に補助金を支給する準備に入った。ガソリンスタンドなどへの卸売価格に反映されれば、小売価格が下がる可能性がある。
ガソリン価格の高騰が新型コロナウイルス禍から回復しつつある日本経済の足かせになるのを防ぐ狙いがあるが、政府が補助金を投入して市場の価格決定に介入するのは異例。25日にも発表する。
抑制策では、政府が石油元売り会社に1リットル当たり最大5円を事後精算で支給する。ガソリンだけでなく、軽油、灯油、重油も対象で、4油種ともレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が170円を超えた場合に発動される。石油元売り会社に支給される補助金額は、原油市場の動向を踏まえて毎週見直していく。元売り会社には支給された補助金相当分を引き下げた卸売価格でガソリンスタンドなどの小売業者に販売することを約束させる。政府は小売価格の動向も調べるが、補助金によって抑制された卸値をガソリンスタンドが小売価格に反映するかは各店舗の判断に委ねられており、実際に消費者が恩恵を受けられるかは不透明だ。
抑制策は昨年の追加経済対策に盛り込まれ、政府は財源として2021年度補正予算で800億円を計上した。原油価格は1バレル=80ドル台後半の高値で推移しており、抑制策の発動は長期に及ぶ可能性もある。【高橋祐貴】
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2022-01-24 12:16:29Z
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