Rabu, 12 Oktober 2022

転職・副業の受け入れ先支援、学び直し拡充 岸田文雄首相が表明 - 日本経済新聞

岸田文雄首相は12日、5年間で1兆円を投じる「人への投資」について3本柱で進める方針を示した。転職者や副業する人を受け入れる企業への支援制度の新設や、働き手のリスキリング(学び直し)に取り組む企業への助成拡大などを挙げた。成長産業への労働移動を促す。

働く人の学び直しについて考えるシンポジウム「日経リスキリングサミット」(日本経済新聞社・日経BP主催)での座談会で表明した。月内にまとめる総合経済対策に具体策を盛り込む。

首相は自らの経済政策、新しい資本主義で「リスキリングの重要性を訴えている」と語った。日本で仕事を移りやすい柔軟な労働市場を整えるには学び直しと合わせて金銭補償を伴う解雇規制の緩和なども検討する必要がある。

首相は1つ目の柱として企業間や産業間の人材移転を後押しするために「転職や副業などを受け入れる企業への支援を新設し拡充したい」と述べた。これまで大企業の社員を招くスタートアップを対象とする補助金制度があったが、従業員数などの条件があった。

新制度はより幅広い企業を対象にする想定だ。具体的な制度を設計するにあたっては補助金目当てでスキルがない人材の移動などが起きないような仕組みが要る。

学び直しで技能を高めた非正規雇用者を正規雇用に転換する企業への助成を拡充するとも打ち出した。有期雇用者らを正社員にする事業主に出す現行の「キャリアアップ助成金」について増額などを検討する。

2つ目として企業で働く人のキャリアアップを目的とする転職を支援する仕組みづくりを掲げた。在職中のリスキリングから転職先探しまで民間の専門家に一括して相談できる体制をつくる。

3つ目で従業員の学び直しに取り組む企業への支援拡大を提唱した。現行の「人材開発支援助成金」は事業主による労働者の訓練経費や訓練中の賃金負担を一定の範囲で支援する。この助成率を引き上げる方向だ。

リスキリングは企業の社員などが市場のニーズに対応できるよう新たなスキルを身につけることを指す。デジタル化や人工知能(AI)の普及で既存の技能が通用しなくなっても、学び直しで得た技術で新たな職を得やすくするセーフティーネットの意味合いもある。

首相が提示した3本柱はリスキリング支援の重点を成長産業への労働移動に置くことを示す。北欧などに比べて遅れている普及をテコ入れする狙いがある。

首相はリスキリングの徹底で「賃上げがより高いスキルの人間をひき付けて企業の生産性が高まり、さらなる賃上げにつながっていく好循環を実現する」と語った。

座談会に先立つビデオメッセージでは「人への投資を企業経営の中核に据え、リスキリングの取り組みを進めてもらいたい」と呼びかけた。官民で学び直しを支援する重要性を強調した。

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2022-10-12 10:03:17Z
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