3月29日、住信SBIネット銀行は東京証券取引所スタンダード市場に上場した。ネット銀行として国内初の上場であり、令和以降初の銀行上場でもある。
同日会見を行った円山法昭社長は、次のように話し、技術への注力を強調した。「我々はテックカンパニー。徹底的にテクノロジーに投資してきた。APIを初めて導入した銀行であり、住宅ローンをはじめ、ほとんどのすべての商品でAIを使った審査をしている」
同社の社員の過半数はシステムやテクノロジーに従事しており、技術の活用によって同業他社よりも経費率を抑えた。今後も、テクノロジーへの投資を続け、他社との差別化を目指す。上場の目的もテクノロジー人材の獲得が狙いの1つだ。
「人材獲得競争が、テック企業との争いで厳しくなってきている。知名度向上や(ストックオプションなど)インセンティブ制度の導入を考えると、株式上場は必須だ」(円山氏)
銀行業はベース、これからはデータビジネスのテックカンパニー
現在の同社の事業の中心は消費者向け銀行事業で、特に住宅ローンが強い。2022年3月期は貸付額が約45%成長しており、25年3月期には年間2兆円を超え、業界内のシェア10%を目指す考えだ。
また銀行機能をサービスとして他社に提供するBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)事業は、10社がサービス開始済みで15社が導入を決定している。すでに黒字化していると円山氏は言う。「来年度は20社以上がスタートする。将来は銀行収益と同じくらいのボリュームになってくる」
今後は、銀行業をベースとしながら、そこで得られたデータを活用し、新たなビジネスに進出する考えだ。すでに、顧客のパーソナルデータを用いた広告配信事業を1月5日からスタートしている。
「銀行業の次はデータビジネスだ。広告は、現在のCookieベースから、顧客の同意を取った上で、IDベースで補足した状態で広告を配信するように変わっていく。サプライチェーンDX事業に進出することも決定しているし、カーボンクレジット事業にも参入したい」
なお同じSBIグループ内に、SBI新生銀行があるが、競合は意識しないし特に特別な連携も考えていない。「あえて棲み分けはしない。独立した会社の1つとして成長を目指すためにも上場が必要だった。切磋琢磨し両社合計でシェアが増えればいい」(円山氏)
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2023-03-29 08:40:00Z
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