米株式相場は上昇。人工知能(AI)を巡る熱狂が続いたほか、米国の債務上限交渉が合意に至るとの見方が強まったことも買いを誘った。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
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S&P500種株価指数 | 4205.45 | 54.17 | 1.30% |
ダウ工業株30種平均 | 33093.34 | 328.69 | 1.00% |
ナスダック総合指数 | 12975.69 | 277.60 | 2.19% |
ナスダック100指数は2.6%上昇。半導体メーカーのマーベル・テクノロジーは2024年1月通期のAI関連製品の売上高が前年比で「少なくとも2倍」になるとの見通しを明らかにし、同業のエヌビディアと同じように強気の見解を示した。マーベルは32%高。
半導体のマーベル株急伸、通期のAI売上高が倍増との見通し示す
債務交渉で、2年間の債務上限引き上げと連邦支出制限で合意に近づいていることも支援材料。マッカーシー米下院議長は「われわれは夜まで作業した。進展があったと思う」と発言。「今朝も進展したと思う」と続けた。
マッカーシー議長、債務上限交渉で進展あったと発言-26日に交渉再開
マクロ・リスク・アドバイザーズのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、ジョン・コロボス氏は「この日は債務上限問題のニュースが買いを誘ったほか、AIへの熱狂も続いている」と指摘した。
米国債
米政府の資金が枯渇した場合、支払いが滞るリスクが最も高いとみられる財務省短期証券(TB)のレートはやや低下。イエレン財務長官が資金枯渇の恐れがあるとした時期である来月初めに満期を迎えるTBレートはいずれも6%を下回っている。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
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米30年債利回り | 3.96% | -3.5 | -0.87% |
米10年債利回り | 3.80% | -1.9 | -0.50% |
米2年債利回り | 4.56% | 2.9 | 0.64% |
| | 米東部時間 | 16時50分 |
個人消費支出(PCE)は連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ率を目標まで引き下げる上でさらなる行動が必要なことを示した。PCE価格指数は前月比0.4%上昇し、予想も上回った。
米PCE価格指数、上昇ペース加速-FRBは利上げ姿勢維持か
UBSチーフ・インベストメント・オフィスのシニア米国担当エコノミスト、ブライアン・ローズ氏は「FOMC会合までに債務協議で妥結する可能性が高いとみているが、どのような合意であれ財政引き締めを含むことはほぼ確実で、そうなれば利上げの必要性が低下するはずだ」と発言。「米政府の資金が尽きるXデーを迎えるようなことになれば、影響は深刻で、FOMCが利上げを実施する確率はほぼゼロになる」と述べた。
2年債利回りは11営業日連続で上昇し、昨年9月以来の長期上昇局面となった。経済指標を受け、FOMCが6月あるいは7月に利上げを実施する可能性が高まった。
2年債利回りは4.55%付近に伸び悩む場面もあったが、クリーブランド連銀のメスタ-総裁の発言が伝わると再び上昇した。総裁はCNBCとのインタビューで、インフレ抑制が期待通り進展していないことを受け、「6月会合ではあらゆる選択肢が議題になる」と述べた。
クリーブランド連銀総裁、「あらゆる選択肢」検討へ-6月FOMC
PGIMフィクスト・インカムのチーフ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は「金利が上昇している理由は2つある。米国はデフォルト(債務不履行)に陥らないとの楽観と景気の下振れリスクが弱まっていることだ」と語った。
外為
ドル指数はPCE統計を受けて下げ渋る展開となった。円は一時、1ドル=140円73銭と、昨年11月23日以来の安値を付けた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
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ブルームバーグ・ドル指数 | 1245.86 | -2.47 | -0.20% |
ドル/円 | ¥140.61 | ¥0.55 | 0.39% |
ユーロ/ドル | $1.0728 | $0.03 | 0.03% |
| | 米東部時間 | 16時50分 |
原油
ニューヨーク原油は反発し、週間ベースでは2週連続高。米デフォルトを回避するための債務上限交渉で進展があったとの見方が広がった。
引き続き市場の焦点は供給のダイナミクスに絞られている。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」が追加減産に動くかどうかを巡り、サウジアラビアとロシアは正反対の立場だ。サウジのアブドルアジズ・エネルギーは空売り投資家に対し「気をつけろ」と述べたが、ロシアのノバク副首相は追加減産の可能性は低いとの見解を示した。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「米債務上限を巡る交渉の行方と6月4日のOPECプラス会合を控えた不透明感が続いているため、原油価格はなかなか方向性が定まらない」と指摘。「米経済の底堅さも原油を巡る状況を複雑にしている。需要が少し押し上げられても、追加利上げによる経済圧迫は必然だと考えられるからだ」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比84セント(1.2%)高い1バレル=72.67ドルで終了。週間では1.6%の値上がり。ロンドンICEの北海ブレント7月限は69セント上昇し76.95ドル。
金
ニューヨーク金先物は小じっかり。週間ベースでは3週連続安で引けた。米経済の底堅さが経済統計で示され、金融引き締め政策が継続する可能性が高まった。
米債務上限を巡る交渉が近く妥結するとの期待が広がるなか、金相場はもみ合う展開。4月のPCE統計では、インフレと消費者の支出が共に加速したことが示された。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、前日比80セント(0.1%未満)高い1オンス=1963.10ドルで終了。週間ベースでは1.9%下げた。ニューヨーク時間午後1時44分現在の金スポット価格は前日比0.1%上昇の1943.53ドル。週間では1.7%下げ、3週連続安。
原題:Tech Extends Rally as Traders Await Debt Deal: Markets Wrap(抜粋)
US Two-Year Yield Rises for 11th Straight Day on Economic Data
Dollar Pares Drop as Hot PCE Puts Pressure on Fed: Inside G-10
Oil Posts Second Weekly Gain as Debt-Limit Deal Inches Closer
Gold Set for Third Weekly Loss as Traders Bet on More Fed Hikes
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2023-05-26 20:54:00Z
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