フランス銀行(中央銀行)のビルロワドガロー総裁は、 欧州中央銀行(ECB)が年内の今後いかなる会合でも利下げを実施することがあり得るとの見通しを示し、ECB政策委員会の同僚メンバーに挑戦状を突きつけた。
ビルロワドガロー氏は仏日曜紙ラ・トリビューン・ディマンシュとのインタビューで、ECBによる年内の利下げはあると述べ、「正確な日付については、除外されるものは一つもなく、今後の政策会合は全てがオープンだ」と語った。
ラガルドECB総裁が数日前に、先週開催の政策委では「利下げを議論するのは時期尚早だ」というコンセンサスがあったと発言していただけに、ビルロワドガロー氏の発言は当局者間に意見の溝が生じていることを浮き彫りにしている。
オランダ中銀のクノット総裁は28日、ECBが利下げを始める前に賃金動向の転換が必要だと主張。クノット氏ら政策当局者の見解は、利下げに着手できる最も早い機会は6月であることを示唆している。
賃金動向が明確になる必要性を指摘しているのはクノット氏だけではない。ECBチーフエコノミストのレーン理事やエストニア中銀のミュラー総裁、スロベニア中銀のバスレ氏らもその重要性を強調している。レーン氏は今月、「最も完全なデータはユーロスタットの国民経済計算データ」だとし、それは4月末まで入手できないと指摘していた。
また、オーストリア中銀総裁でタカ派のホルツマン氏も今年は利下げを想定すべきではないと発言。ラトビア中銀のカザークス総裁とクロアチア中銀のブイチッチ総裁も26日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、早期利下げに慎重な姿勢を示していた。
対照的に、ビルロワドガロー氏は利下げを長く待ち過ぎるのは問題だと指摘。「われわれが回避する必要がある二つのリスクは、時期尚早な利下げで目標を達成できないことと、行動が遅過ぎて経済活動を過度に減速させることだ」と語った。
ポルトガル中銀のセンテノ総裁は5月より前に利下げの可能性があると発言。リトアニア中銀のシムクス総裁は26日、4月の実施についてはオープンマインドであり、その間に発表されるデータに注目すると述べた。
ビルロワドガロー氏は投資家も味方につけている。短期金融市場では現在、4月までに0.25ポイントの利下げが実施される確率が90%近く織り込まれており、今年全体では計146ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の金融緩和が見込まれている。
今週は6人のECB当局者が発言する予定で、不協和音に拍車がかかる可能性が高い。29日にデギンドス副総裁、30日にナーゲル独連銀総裁とレーン、ブイチッチ、バスレの3氏、2月1日と2日、3日にセンテノ氏がそれぞれ話す。レーン氏は1日に再び発言機会があるが、その数時間前に、1月のユーロ圏のインフレ統計が発表される予定。
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原題:Hints of Early ECB Rate Cut Highlight Divisions in Council(抜粋)
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2024-01-29 04:37:17Z
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