米アップルによるハードウエア事業以外への事業拡大は、テクノロジー業界以外の新たな提携先への対応を習得する必要があるため、一部アナリストの予想以上に時間がかかりそうだ。
アップルは25日にシリコンバレーに著名人を多数集めて開いたイベントで、4つの新しいデジタルサービスを発表した。ただ、それらのサービスにはどれも詳細の欠如や、後日のサービス開始などの失望的な要素があった。
独自の動画ストリーミング・サービスと定額制のゲームサービスは秋に開始する予定だが、アップルは料金体系には言及しなかった。ニュース購読サービスには複数の主要紙が参加せず、提携した新聞も一部コンテンツの提供を控える可能性もある。ゴールドマン・サックス・グループと共同開発したクレジットカードが提供する特典はライバルのカードと大差ない。
今回の発表はアップルが美しく高価な機器の単なる販売者ではなく、デジタルサービスの大手プロバイダーに転身すべく真剣に取り組んでいる姿を示している。一方で、そうしたシフトは同社が経験の少ない新しい領域に進出することにつながる。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は人気商品「iPhone(アイフォーン)」 の組み立てでアジアの部品メーカーとの交渉に何年も費やしたサプライチェーンのエキスパートだが、今後はこうした手腕をハリウッドのスターや新聞社、銀行、ゲーム開発者との間で発揮する必要がある。ただ、こうしたパートナーは大手テクノロジー企業との提携に慎重であったり、既にネットフリックスやアマゾン・ドット・コム、グーグルなどのライバル企業と提携していたりするケースが多い。
コンサルティング会社マジッドのグローバル・メディア・エンターテインメント担当シニアバイスプレジデント、マイク・ブロクサム氏はアップルについて「コンポーネントの面では一流の地位を確立しているが、ビデオエンターテインメントの分野では全く異なる」と指摘した。
アップルがオリジナルのストリーミングサービス「TV+」を発表した際、オプラ・ウィンフリー氏やスティーブン・スピルバーグ監督らハリウッドの重鎮らが登場し、同サービスで将来配信されるプロジェクトについて語った。これは同社が10億人を超える端末ユーザーを潜在的な視聴者として約束しトップ人材を引き付ける力を鮮明にしたが、同社が料金設定を年内に発表するとしたため、一部アナリストの間では関心が低下した。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのアナリスト、アーロン・レイカーズ氏は、「 アップルによる新しい有料定額制サービス、アップルTV+やオリジナルコンテンツ制作への進出に関する発表は、われわれと投資家に答えよりも多くの疑問を残した」と顧客向けリポートに記した。チャタム・ロード・パートナーズのリサーチディレクター、コリン・ギリス氏も、アップルの新しい動画配信サービスは「ネットフリックス・キラー」になることはないだろうと述べた。
アップルの株価は25日に1.2%下落した。ネットフリックスは1.5%上昇。
原題:Apple’s Shift From Gadgets to Services Tests Investor Patience(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-26/POYE756K50XV01
2019-03-26 05:02:00Z
52781632186256
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