欧州中央銀行(ECB)は9日、7月に0.25ポイントの利上げを実施すると表明した。9月に0.5ポイント引き上げる可能性も示唆した。
約10年ぶりの利上げ実施を宣言したほか、ECBは一連の追加利上げの道筋についても触れた。債券購入は7月1日に終了させる。
声明は「中期的なインフレ見通しが現状維持または悪化する場合、9月会合でより大幅な利上げが適切になるだろう」とした上で、「現在の判断に基づいて、漸進的だが持続的な追加利上げが妥当になると政策委員会は予想している」と説明した。
現在マイナス0.5%の中銀預金金利は、8年に及んだマイナス圏を7-9月(第3四半期)末までに脱することになる。
ラガルド総裁はアムステルダムでの記者会見で「漸進的な利上げで開始するのは世界の大半の中銀が採用することの多い手法で、優れた慣行だ」と発言。「この日の決定は7月単月だけでなく、行程全体を念頭に置いたものだ」と述べた。
インフレについては、リスクは「主として上方向だ」との認識を示した。リスク要因として、生産能力の長期的な悪化とエネルギーおよび食料品価格の高止まり、インフレ期待の上昇、予想以上の賃金上昇などを挙げた。
ECBは最新の経済予測で、2024年のインフレ率が平均2.1%と中銀目標を上回るとの見通しを示した。今年については最新予測よりもさらに高い7.1%となる可能性があるとも指摘した。
総裁は「金融政策の調整はデータ次第だ」とした上で、インフレ率を中期目標の2%で安定させるため「責務の範囲内であらゆる政策手段を調整する用意がある」と表明した。
ECBの発表を受けて欧州債は下落。とりわけイタリア10年債利回りは一時25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、ドイツ債とのスプレッドは約2年ぶりの大きさとなった。
こうしたユーロ圏債券市場の「断片化」についてラガルド総裁は、必要に応じ既存のツールや新たな措置を駆使して防ぐと語った。既存手段としてはパンデミック債券購入プログラム(PEPP)で購入した債券の満期償還金再投資に言及し、柔軟性を強調した。
金融政策の正しい伝達にコミットしているとし、断片化は避けなければならないと言明した。
原題:ECB to End Era of Negative Rates With Plan for Sustained Hikes、ECB Sees 2022 Inflation at 7.1% When Considering Latest Data、Euro Slumps, Yields Surge as Lagarde Is Digested、Lagarde Says Will Deploy Existing Tools or New Ones If Needed、Lagarde: Inflation Risks Are Primarily on Upside、ECB Calls Time on Era of Ultra-Low Rates With Big Hike Possible、ECB Cements July Liftoff, Hints at Half-Point September Hike (1)(抜粋)
(ラガルド総裁の発言を追加します)
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2022-06-09 12:26:57Z
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