ロシア極東のサハリン沖で行われている石油と天然ガスの開発プロジェクト「サハリン1」をめぐり、プロジェクトに参画する日本の事業会社が、ロシア側が設立した新会社に参画する方針を決めました。
サハリン1をめぐっては、先月14日にロシア側が新会社を設立し、日本など外国の事業者は、設立から1か月以内に株式の取得に同意するかどうかをロシア政府に通知する必要があるとされています。
関係者によりますと、政府や大手商社などが出資する日本の事業会社「SODECO・サハリン石油ガス開発」は4日、臨時の株主総会を開き、ロシア側が設立した新会社に参画の申請をすることを全会一致で決めたということです。
政府は、ウクライナへの軍事侵攻を受けた経済制裁の一環として、G7=主要7か国とともにロシア産の石油の輸入を原則、禁止する措置を取っていて、サハリン1から現在、原油は輸入されていないということです。
ただ、原油輸入の95%前後を中東に依存するなかで、サハリン1は日本のエネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクトだと位置づけていて、西村経済産業大臣は、今月1日に事業会社のトップと会談し、新会社への参画を前向きに検討するよう要請していました。
今回の決定を受けて、事業会社では近く、ロシア側が設立した新会社に参画の申請を行うものとみられます。
伊藤忠商事「エネルギー安全保障の観点からも参画に賛成」
サハリン1の権益を持つSODECO=サハリン石油ガス開発に出資する伊藤忠商事の鉢村剛 副社長は、政府の要望に応じて参画に賛成する方針を明らかにしました。
4日の決算会見で、鉢村副社長は「SODECO側から民間の筆頭株主としてどう考えているかという問い合わせがあり、エネルギー安全保障の観点からも政府方針に従って参画に賛成することを意思決定した」と述べました。
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2022-11-04 08:02:26Z
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