トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなど、国内企業主要8社が、次世代半導体の国産化に向けた新会社を設立したことが10日、わかった。2020年代後半に向けて、経済安全保障の観点から重要になっている半導体で、製造技術の確立を目指す。
新会社の名称は、ラテン語で「速い」を意味する「Rapidus(ラピダス)」。ほかにNEC、ソフトバンク、デンソー、半導体大手キオクシア(旧東芝メモリ)、三菱UFJ銀行が参加する。出資総額は70億円超とみられ、今後も企業の出資や参加を促す。
自動運転や人工知能(AI)、スマートシティーといった大量データを瞬時に処理する分野に欠かせない次世代半導体を開発する。
政府は新会社の研究開発拠点の整備などに約700億円を支援する見通しで、11日にも西村経済産業相が発表する。政府の22年度第2次補正予算案では、国内での半導体分野の振興・支援に約1兆3000億円を充てていた。
日本と米国は7月に開かれた経済版2プラス2(日米経済政策協議委員会)で、次世代半導体の研究開発で協力することに合意した。新会社は東大や産業技術総合研究所などが参加する研究開発拠点と連携し、国内での量産技術の確立を図る。
半導体は回路の線幅が細かいほど、処理能力が高い。新会社は、製造技術が固まっていない2ナノ・メートル(ナノ・メートルは、10億分の1メートル)相当の生産を念頭に置く。
先端半導体は、台湾積体電路製造(TSMC)がリードしており、線幅10ナノを下回る演算向けの製造は、19年末時点で台湾勢が9割超を占めている。日本は性能が劣る20ナノ以下の工場を整備している段階。台湾に有事があれば、調達が難しくなる。あらゆる製品に搭載されるため、国内の製造拠点確保が喫緊の課題となっている。
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2022-11-10 10:05:00Z
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